温泉好きによる温泉好きのためのWebメディア

【山形】蔵王温泉に16年12月にOPENしたばかりの全室禁煙の新旅館「名湯舎 創」を見学させてもらった【レポ】

今(2月)の季節はスノーモンスターこと樹氷が名物の蔵王温泉。おひざ元である温泉街には、まるで小川のようにあちこちでにごり湯が湯気をたてながら流れている……。

「あれは、蔵王温泉特有の強い泉質で配管がやられてしまうから、特別に許されて外に流しているんですよ」と新旅館「名湯舎 創」のマネージャー尾形さんが教えてくれた。

名湯舎 創」は旧・岡崎屋旅館を山形の名旅館・タカミヤホテルグループが全館リニューアルさせた新しい宿。タカミヤホテルグループ12番目の宿になる。

「名湯舎 創」へは蔵王バスターミナルから、源七露天の湯方面にのぼってくること500m。徒歩なら6~10分くらいで到着する。

建物の外形は昔をとどめながらも、新しい木の格子に覆われたエントランス付近をはじめ、爽やかな雰囲気だ。

入館して、フロントラウンジでまず目についたのが、外側に面したサンルームのような一角。
これは何の部屋なんだろう……?

「シガールーム、つまり喫煙室ですよ。当館は全館禁煙なのですが、愛煙家の方が寒い中、外でたばこを吸われるのも気の毒なので……」

ガラス張りのカフェのような雰囲気。これなら、寒くもないし、喫煙のひとときをほっと寛げるだろう。

全館禁煙にするのにはやはり勇気がいったとおっしゃるが「愛煙家の方でも、お部屋に残るヤニの匂いはお嫌いな方も多いので」と、最大公約数のお客様の居心地を重視した結果が全館禁煙だったという。

客室を見せていただいた。「名湯舎 創」は36室、中規模の旅館である。
客室は元の構造を生かしつつ、和ベッドを置いてシンプルな「和モダン」の雰囲気になっている。

布団をいちいち敷く必要がないお部屋は、お客側としても、到着してすぐにベッドに入ってお昼寝、など好きな時に眠れるのが嬉しい。
このスタイルはお客様・宿泊施設側双方に「らくちん」なのだ。

また元の構造を生かしながら、お部屋の向きなどで少しずつ家具の配置を工夫している。

この客室は、窓側にベッドを置いて居室空間を広くとっている。もちろん畳部分に布団を敷くこともできるので、グループでも宿泊できる。

写真左:こちらは珍しい黒い畳のお部屋。シックな雰囲気
写真中:スキーウェア対応の背の高い洋服かけが客室に用意されている
写真右:高台にあるので、向きによっては温泉街を見渡せるお部屋もある。

写真:こちらは2部屋をあわせたお部屋。2家族が寛げるつくりになっている。

「名湯舎」の名に恥じない源泉そのままを、木と竹でぬくもりあふれる新しい温泉で

食事についても新しい工夫をとりいれた。

すなわち、郷土料理などのハーフビュッフェだ。
前菜・おさしみ・すき焼きといったものは個別で用意された会席スタイル。

それにプラスして、いも煮、とりそば、その他伝統の郷土料理や山形の家庭の味、さらにデザートはビュッフェで用意される。好きなものを好きなだけ、お腹にあわせていただくことができるのだ。
そのハーフビュッフェも
「お客様によってメニューを変えます。若い方が多い場合は揚げ物を増やしたり、女性の方が多い場合はスイーツを工夫したり……」
基本会席部分は個別で、プラスのビュッフェというスタイルは大好評だという。

写真左:土産品コーナーには厳選した地元産品が並ぶ。写真は高級な工芸品の山ぶどうの手提げ。4万とあるが東京で買えば倍くらいするという
写真右:畳敷き・テーブルの食事会場。訪問時は会議仕様になっていたが、テーブルの配置はお客によって変わる。

やはり、なんといっても源泉かけ流しの温泉が自慢だろう。「名湯舎」の名前に恥じない。蔵王温泉ならではのにごり湯を24時間(チェックアウト後の掃除時間除く)楽しむことができる。

2016年12月14日に計測したばかりの真新しい成分表によると、成分はPH2.0の酸性・含硫黄-アルミニウム-硫酸塩・塩化物泉。肌をさっぱりさせる酸性泉ではあるが、同時に潤いを守るメタケイ酸も267.8㎎と高濃度でもあるのが面白い。
源泉温度が50.6度と使用位置に近いので、埋めずわかさず源泉そのまま、湯量のみで温度調節できるという。

温泉も木と竹を使って改装。清潔感とぬくもりが生まれたくつろぎ空間になっている。
撮影時も惜しみなく温泉が湯船からあふれだしていて源泉の豊かさが感じられた。
訪問時は整備中だったが、貸切湯も用意されている。

露天風呂は2月中旬だったこともあり雪見露天になっていた。

アメニティも申し分なく揃う脱衣所

なお、宿のほぼ目の前には(駐車場があるので100m余り歩くが)、立ち寄り湯の「源七露天の湯」もある。
宿の源泉もあわせて、温泉好きな人にはたまらない立地。
ま新しい清潔感あるお部屋に比較的リーズナブルに宿泊出来て、気軽に温泉三昧できるのが最大の魅力の新しい旅館だ。

名湯舎 創   めいとうや そう

http://www.meitoya.com/
山形県山形市蔵王温泉48
TEL:023-666-6531

宿泊料金例
1泊2食付 2名1室の1名あたり
11880円(消費税込・入湯税別途)

標準チェックイン/アウト
15:00/10:00

この記事もおススメ!
人気記事