日本の夜景百選に選ばれた姨捨S.Aや、日本三大車窓に選ばれた姨捨駅を巡る人気の夜景ツアーが今年も開催。戸倉上山田温泉からスタートするので、夏の期間は浴衣でのんびりお出かけできますよ。
写真:どこか温かな秋の姨捨の風景 (C)信州千曲観光局
「訪れた人が感動する」というのも条件に入っている「夜景百選」。長野県・姨捨S.Aからの眺めも夜景百選の1つに選ばれています。
夜景の美しさといえば、イルミネーションの輝きが頭に浮かびますが、ここ、姨捨の夜景はそれだけではないんです。
昼間見ても美しい「日本の棚田百選」に選ばれた棚田に映り込む月や、「日本三大車窓」に選ばれた篠ノ井線の稲荷山駅から姨捨駅間の車窓の眺めなど、まるで昔話に出てくるような日本の原風景が広がっています。
写真:田の水面に写し取られた田毎(たごと)の月 (C)信州千曲観光局
そんな夜景を堪能できるのが、今回紹介する姨捨夜景ツアーです。姨捨からほど近い戸倉上山田温泉からスタートして、姨捨駅、姨捨S.Aを巡る約90分のツアーです。
この姨捨の夜景は、地元の方が「ここから見る夜景は綺麗だ」と紹介することで、少しずつ知名度が上がった地元の人達に愛されている夜景だからこその穴場的夜景スポットなのだとか。
この人気企画について信州千曲観光局の佐々木さんに伺ったところ、仕事柄、日本のみならず世界の夜景をたくさん見てきた中でも、特にオススメできるということでした。
姨捨S.Aからの眺めは善光寺平に広がる暖かなイルミネーション。そして美しく地形に沿った約1800枚もあるという棚田。
写真:秋はLEDライトが畦道を照らし幻想的な風景に (C)信州千曲観光局
姨捨夜景ツアーでは、棚田には立ち寄りませんが、田植え前の時期は田に満たされた水を鏡として、月が映り込み、歌人・粋人が愛した「田毎の月」としても有名です。そして、その場に立つと、不思議とその景色を感じ取れるのだそう。
また、9月中旬から10月にかけては棚田の畦道がLEDライトで照らされ、秋の棚田が幻想的に彩られます。季節ごとに違う楽しみがあるのも魅力ですよね。
写真:LEDライトの向こうに街の灯りが輝いて不思議な一体感を感じさせる秋の風景 (C)信州千曲観光局
ホームからの絶景!訪れる価値のある駅全国第2位の姨捨駅
その景色の良さから日本三大車窓にも選ばれている姨捨駅は実は珍しいスイッチバック式の駅としても名高く、訪れる価値のある駅にも選ばれている言うなればタイトルホルダーの駅。そのレトロな雰囲気の駅舎は、景色に溶け込み、更なる旅愁を誘います。
写真:眼下に広がる街の灯りが美しい。姨捨駅から望む夜景 (C)信州千曲観光局
そして夏の夜景を観賞中に聞こえてくる「蛙の鳴き声」。どこか懐かしさを感じさせるその声が、郷愁の念をもかきたてます。
そんな人気の駅ですが、アクセスには不便なところにあるので、ツアーとしても最大の目玉となっているそうですよ。
夏の夜なら風流に浴衣でぶらり。老舗味噌蔵の特産品のプレゼントも!
姨捨夜景ツアーは、戸倉山山田温泉の5か所からスタートするので、夏を迎えるこれからの時季、浴衣で夜景観賞できるのも温泉地に近い夜景スポットならでは嬉しいところ。
美肌の湯でほてった素肌を夏の涼しい夜風にあたりながら、夜景を眺めるなんてなかなかできないですよね!
とはいえ、S.Aは公共の場なので、浴衣がはだけないなどのマナーは必要なので気をつけてくださいね。
先ほどの佐々木さんによると、昨年度は100名以上の参加。基本的には、戸倉上山田温泉に宿泊のお客様を対象にしたツアーですが、ツアー参加自体は、宿泊者以外も大歓迎とのこと。参加費用は、大人3000円、小学生1500円となっています。ツアーは参加人数によってタクシーやジャンボタクシーに変わります。
写真:夕暮れの棚田。(C)信州千曲観光局
1番混み合う7月1日~9月30日は毎日開催される予定ですが、4月~6月、10月、11月は金・土、また、12月~3月の間は土のみの開催となっています。
また、7月~9月でも曜日によってツアーの内容が若干変るので、参加したい人は事前に確認してくださいね。
その他、ツアーの参加の特典として、100年の歴史をもつ老舗「味噌蔵たかむら」さんの味噌のプレゼントも!また、味噌のあまじょっぱさが美味しく、一度食べ始めると止まらない「味噌せんべい」もオススメのお土産ですよ。
日本の夏の夜の散歩をぜひ楽しんでみて下さいね!
(取材・文:さこ 情報更新:2019年6月)
※LEDが灯るのは秋の期間限定です。
写真:8月16日には伝統行事の「大池百八灯」が行われる (C)信州千曲観光局