日本屈指のラジウム温泉、鳥取県の三朝温泉では、ちょっと変わった温泉を利用した療法「鉱泥湿布」を体験することが出来ます。
鳥取県が誇る名峰大山の東側に位置する三朝温泉は、平安時代に発見されたという歴史ある温泉地で日本百景にも選ばれています。山あいを流れる三徳川沿いにホテル、旅館、公衆浴場、お土産物屋などが立ち並ぶ半径約700mの範囲内に収まる温泉街ですが、特筆すべきはその泉質です。
三朝温泉観光協会の公式サイトによると、放射能ラジウムが分解して生じるラドンを含む三朝温泉の湯は、体に浴びると新陳代謝が活発になり、吸引や飲泉で抗酸化機能が高まり、老化や生活習慣病の予防に役立つそうです。
入浴しても、吸っても飲んでも体にいい三朝温泉で、もう一つ昔から鉱泥湿布というこの土地ならではの療法があるんです。
あまり聞きなれない鉱泥湿布ですが、実は三朝温泉病院という病院で受けることが出来ます。
そもそも鉱泥湿布とはどんなものなのでしょうか?
写真:鉱泥の製造。温泉水を加えて練り上げていく
三朝温泉の粘土質の泥に三朝温泉の温泉水を混ぜて練り合わせ80度まで温めたもので、これを布に包んで患部にあてます。
市販の湿布と比べて水分を多く含んでいるので温熱効果が持続しやすく、30分程度の施術で関節や筋肉の痛みを取る効果が期待できるとか。
さすがに温度80度の温泉に長時間浸かることは無理ですが、布にくるんだ湿布なら一定の時間ダイレクトに患部を温めるので血行が良くなりそうです。
一度体験すると痛みの軽減が実感できて、リピーターになる人も多いそうですよ。
写真:鉱泥湿布の製造風景
では、この療法どんな症状に効果があるのでしょうか。
療法を行っている三朝温泉病院のホームページによると、関節の周囲や筋肉にたまった痛みのもととなる疼痛誘発物質(ブラディキニン)や乳酸が、鉱泥湿布による温熱効果の血流増加により痛みのあるところから洗い流されていき、腰痛、五十肩、股関節痛、膝関節痛、関節リウマチなどの疼痛疾患に効用があるとか。
また、気管支ぜんそくなどの呼吸器疾患、その他婦人病や美肌効果にも有効と言われているそうです。
療法の手順は
①三朝温泉宿泊者は事前に宿へ予約が必要です(実施時間10:50~。13:40~)。日帰り利用者は当日のみ受付なので、8:30~12:00までに三朝温泉観光協会へ申し込んで下さい(実施時間13:40~)。
ちなみに三朝温に宿泊すると料金は1,500円、日帰りはたまわりの湯入浴券付き(有効期限あり)で2,500円になります。
②体験時間の10分前に三朝温泉病院へ。
③鉱泥湿布について説明を受ける。
④寝台に横になって療法を受ける。
という流れで、全行程約1時間程度です。
※一度に2か所までOK。一例として、両肩と両膝だと枕状の湿布を肩に1つ、膝に1つ置くので合わせて2か所になります。
※支払い後に体調不良などでキャンセルする場合は、当日の正午までに連絡すれば返金可能。
ここで三朝温泉病院の施設情報を!
病院内には足湯があり、待ち時間などに自由に利用できるそうです。なんと院内にある5本の源泉を活用したものだとか。
写真:湿布を患部にあてて温める。気持ちよさそう!
午前午後とも定員7名までで、病院休診日以外の平日に医師の指示のもと行われる三朝温泉ならではの温熱療法です。
三朝温泉に連泊する場合など、連日の施術も可能とのこと。
なお、妊娠中であったり、15歳未満、体調不良や飲酒酒気帯びなど、参加ができない場合もあるので詳しくは下記ホームページ内を確認して下さい。
(まとめ・文:えこぴ 情報確認:mashiro 2020年3月)
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