SOKI ATAMI
https://www.uds-hotels.com/soki/atami/#top住所:静岡県熱海市小嵐町4-36 GoogleMAP
●宿泊について
宿泊例:スタンダードツイン 2名1室
大人1名35,000円(サービス料込・消費税込)
問合せ:
Mail info-atami@so-ki.jp
11月1日(日)にオープンする全室温泉付きの温泉宿「SOKI ATAMI」をレポート。自然素材をふんだんに使った客室には温泉を完備。里山の風景を写し取った中庭や最上階の茶寮など、心寛ぐ空間で非日常な時間を過ごせます。
「SOKI」すなわち「素の器」をコンセプトにした空間で、新たなラグジュアリー体験と温泉を楽しめそうです。
JR熱海駅からタクシーで約10分。賑やかな熱海銀座を抜け熱海の奥座敷へ。和モダンでスタイリッシュなSOKI ATAMIは熱海湾を望む小高い場所にあります。
建物はレセプション、宿泊棟、ダイニングルームの3つに分かれ、それぞれの場所にあった過ごし方で迎えてくれます。レセプションが宿泊棟と別にあるのはここが外界との接点だから。このシンプルな空間を通ると奥には扉があり、そこから先は非日常の空間と時間が待っています。
宿泊棟のエレベーターを降りると奥行きのある廊下。壁紙には和紙が使われています。客室の入り口は温泉宿の風情を感じられる格子戸。戸を開けると、柔らかな灯りのエントランスがあり、不思議な石が。
これはなんとスタッフ考案の「Do not disturb」の合図。これを戸口に出しておけばお部屋に入られる心配がありません。ほのぼのしますね。
段差はほとんどなくベッドのところだけで、板間と畳もフラット。年配の人にも心地よいつくりになっています。木材や自然な素材も優しい雰囲気。
ローテーブルの上には温泉宿らしさを感じる茶菓も。熱海駅前にあるKINOMIYA KUWONさんのもので、その土地のものをいただくことへのこだわりはここにもあります。お茶もブレンドされたオリジナルのお茶を用意。旅の疲れもリセットできそうですね。
全室温泉付きの醍醐味を味わうために、さっそくお風呂へ。
お風呂はヒバのものと陶器のものとあり、部屋ごとに違います。
SOKIスイートでは内湯と露天風呂があり、露天風呂が温泉です。熱めの温泉に浸かり、火照ったらぬる湯の内湯へ。交互に繰り返せば湯治気分も味わえます。SOKI ATAMIでは湯治も大切な要素の1つ。江戸時代から続く湯治の地としての熱海の文化を踏襲しています。
内湯にかけられた板はテーブルとして使うのも自由。お気に入りの飲み物を飲みながら時間を忘れてお湯を楽しめます。
湯上がりの体を包む作務衣は肌触りも良く、足袋ソックスをはけばすっかりSOKI ATAMI仕様です。
夕方になればお腹もほどよく空いてきてダイニングルームへ。4.5mもある天井は開放的で席もゆったりと配置。
中央には囲炉裏をぐるりと囲んだカウンター席があり、目の前で調理されていく様子も楽しめます。
反対側にはお釜や蒸籠も。里庭にはハーブや柚子なども植えられており、育てた野菜、豊かな海の幸、地域の生産者から仕入れた山の恵みなど、新鮮な食材を使った料理が味わえます。
外にはたき火台も。ここで過ごす時間が自分へのご褒美になりそう。
食後落ち着いた後はもう1つのお湯を楽しみに大浴場へ。
奥の階段を上がると半露天風呂があります。天井には格子がありますが、女湯は男湯よりも狭い格子に。女性に配慮したつくりになっています。
また、女湯にはスチームサウナがあり、こちらも湯治にならい蒸気浴として設置。メディテーションの香りも心を落ち着かせます。SOKI ATAMIでは廊下でも良い香りが。リラックスできる非日常を演出します。
宿泊棟は8階まであり、最上階はSalon&Barとなっています。SOKI ATAMIの大きな特徴の1つでもある茶寮です。
自分で煎れるお茶でゆっくり過ごすのもいいですね。
お酒を嗜みながらテラスに出れば熱海湾が広がります。ここは花火もよく見える特等席。茶寮を利用する人だけに許された場所は大人の花火大会にぴったりです。
SOKIは「素の器」という意味。「ありのままの飾らない本質を追求し、その土地の自然や風土、素材を嗜む場所」という想いが込められています。
決して華美ではなく上質な質感を感じる場所で、自分に向き合えるSOKI ATAMI。1日だけでは足りなくなるかもしれません。
(取材・文:都野雅子 編集:hotspring727)