岐阜県岐阜市の長良川で伝統の妙技が披露されるぎふ長良川の鵜飼。
鵜匠がたくさんの鵜たちを巧みに操りながら鮎を獲っていく鵜飼は日本各地で見られますが、中でも岐阜県長良川の鵜飼はその漁法が国の重要無形民俗文化財に指定されている、貴重な日本の伝統文化のひとつです。
写真:かがり火に照らされる、1300年前から続く光景に感動
長良川ではシーズン中に8回、「御料鵜飼」が行なわれます。
これは皇室に納める鮎を獲るため、長良川古津地区にて行われる特別な漁のこと。
長良川の鵜匠のみなさんは宮内庁式部職鵜匠という、公務員でもあるわけです。
現在ぎふ長良川の鵜飼では、6名の鵜匠が活躍しています。
写真:一生懸命働く鵜。動きは激しいが顔は割とクール(笑)
1300年の歴史を持つ鵜飼は、皇室だけでなく、織田信長や徳川家康など時の権力者に保護されながら、現在まで継承されてきました。
そして鵜匠とともに生きる鵜たちは家族のように大切に扱われていて、
鵜匠と鵜の強い絆によって鵜飼が成り立っているとも言えます。
鵜たちは日々がんばって鮎を獲っているわけですが、鵜がくわえると鮎が一瞬で死ぬので、鮮度がいいと言われ、なかなか口にすることができない貴重なものだそうです。
写真:屋形船から見る伝統伎に歓声が
鵜匠と鵜たち、そして舟の舵をとるとも乗りの絶妙なコンビネーションにより鮎を獲る古典漁法である鵜飼。清流長良川の川面をかがり火に照らされながら繰り広げられる世界は、幻想的でもあります。
鵜飼を見物するにはやはり、より近くで見られる鵜飼観覧船がおすすめです。
毎年5月11日~10月15日までの期間中、鵜飼休み(10月1日)と増水時を除いて毎夜行われますので、時空を超えるような不思議な感覚を味わえる鵜飼の世界をぜひ覗いてみたいですね。
写真:長良川の夏の風物詩。川岸から見ても幻想的
なお、鵜飼で有名な長良川のほとりは温泉地でもあります。
長良川、金華山、岐阜城と歴史を感じさせる景観とともに楽しめる温泉は、空気に触れると徐々に赤い濁り湯に変化するのが特徴的。
古い町家が立ち並ぶ風情あるエリアにある長良川温泉では、鮎料理を楽しめる旅館や、長良川鵜飼と宿泊がセットになった便利なプランもあるのでこちらもおすすめです!
写真:鵜ががんばって取った鮎が絶品。ぜひ味わいたい
大変貴重な伝統文化であるとともに、受け継がれてきたその漁法、鵜匠や鵜たちの仕事ぶりなど、見所がたっぷりの鵜飼。
海外からも多くの観光客が訪れるぎふ長良川の鵜飼、ぜひ一度この目で見てみたいものですね。
(まとめ・文:mashiro 情報確認mashiro:2020年5月)
※令和2年度は、5月8日現在運航見合わせ中です。
運行の再開はホームページ等により発表されます。
https://www.ukai-gifucity.jp/Ukai/
※鵜飼休み及び増水等で鵜飼ができない日は中止
問合せ:岐阜市鵜飼観覧船事務所 058-262-0104