※現在(2020年3月31日)、源泉の状況により中止しています。状況が好転すれば再開する場合もあります。
海に沈む夕陽が見られる、西伊豆・松崎町雲見地区にある赤井浜露天風呂。行き方が判りづらいことでも知られるお風呂は、駐車場情報を含めしっかり紹介。野趣あふれる海辺の秘湯を思うぞんぶん堪能しよう。
プライベートビーチのような入江でつかる露天風呂
写真:赤井浜露天風呂は、解放感抜群の海辺の秘湯
赤井浜露天風呂は、すぐ目の前に静かな海が広がる海辺の秘湯です。国道から足場の悪い山道を50メートルほど下りると、脱衣場の建物と湯船だけがある、プライベートビーチのような場所。
温泉は、すぐ横の源泉からパイプで引かれる掛け流し。源泉温度は41度前後。カルシウム-ナトリウム塩化物温泉は、舐めるととてもしょっぱいです。その分よく温まる温泉を、じっくりのんびり楽しんで、十分身体を温めるのがコツ。
雲見の「夫婦岩」ならぬ大牛・小牛岩ってナニ?
写真:名前の由来が面白い露天風呂沖合のふたご岩
湯船から見えるのは、駿河湾と右前方の牛着(うしづき)岩。その昔、雲見地区を大水が襲ったとき、大切な家畜たちが流されて、翌朝岩からモーモー鳴き声が聞こえたそうです。
その縁起のよさから、大牛と小牛からなる岩は、伊勢・二見浦の夫婦岩のように、縄でつながれます。とはいえその縄、小学校の運動会で使い古した綱引きロープ。そんなおおらかなところも、ほっこり温まる温泉地らしいお話です。
絶景が待っている。夕陽が沈む露天風呂
写真:海に沈む夕陽を見るため、海外からもお客さんがやってくる
最大の魅力は、入江全体を染める夕陽。6月から8月は、海に沈む太陽が見られます。天候や大気の状態がそろえば「赤井オレンジ」に出会えます。
目の前の海は、シュノーケリングなども楽しめます。飲食も可能でピクニックもできますが、火を使っての煮炊きは禁止。ゴミは必ず持ち帰ること。なお、トイレがないのでご注意ください。
マナーを守って入る公共の露天風呂
写真:脱衣場は二組が同時に使えます
2組が利用できる脱衣場があります。ただし、男女や未成年者も利用する共同のお風呂なので、水着着用がマナーです。タトゥを入れている方は、Tシャツを着たりテーピングなどで隠せば入浴OK。
温泉は24時間投入されていますが、露天風呂や山道には照明がなく、夜は真っ暗。日没以降の入浴はおすすめできません。夕陽を見に行く時も、暗くなる前に車道まで戻れるよう気をつけるほか、念のため懐中電灯もお忘れなく。
判りづらいことで知られる、アクセスと入浴期間
写真:湯船のすぐ近くの源泉からは、常に新鮮なお湯が投入されます
入浴期間は4月から10月まで。2018年11月から2019年4月下旬までは、初の試みとして土日利用ができました。2019年11月以降は未確定なので、雲見温泉観光協会までご確認ください。
赤井温泉露天風呂は、場所がわかりづらいことでも知られます。国道136号線沿いに入り江へ降りる入口があり、小さな看板が立ちますが、見落としやすいので要注意。
ナビに入力する住所は、入口近くの旧赤井浜荘跡地に建つ「いなばや倉庫」の駐車場が目標(静岡県松崎町雲見483-4)。道沿いは駐車禁止ですが、倉庫の駐車場を1,000円で利用可能。倉庫には箱があり、中の封筒に車のナンバーを記入して料金を入れます。
また、雲見地区の浜辺の駐車場なら無料(7月中旬から8月下旬までは1,000円)です。露天風呂への降り口へは、国道沿いに400メートルほど。バスを利用する方は、いなばや倉庫の目の前にある「赤井浜」バス停で下車します。
地魚が美味しい雲見地区は、絶景スポット盛りだくさん
写真:コンクリートの土台の上に石を並べ造られた湯船。
周辺の大自然も見どころです。海に突き出た岩山の穴から、秋になると夕陽が見える「千貫門」は必見です。また標高164メートルの烏帽子山には、健康長寿を祈願する浅間神社が鎮座するほか、絶叫しそうになるほどスリル満点の頂上からは、西伊豆の絶景が見晴らせます。
どちらもインスタ映え間ちがえなしの大迫力。そのうえ日本で2体しか公開されていない巨大なセミクジラの骨格標本を見られる「雲見くじら館」も要チェック。
雲見地区には地魚料理をウリにした温泉旅館や民宿が40軒ほど。磯料理の美味しい食堂もありますが、営業時間が気まぐれなので、開いていたら即入店。
奇跡の絶景に感嘆し、赤井浜露天風呂で秘湯を満喫、獲れたての地魚をたらふく食べれば大満足。たっぷり楽める西伊豆の、隠れたお勧めスポットです。
(まとめ・文:湯元U2 情報更新:さこ 2020年4月)