全国でも珍しい天然高濃度炭酸泉でつくるおにぎりはここでしか味わえないもちもちのおにぎり。確実に食べたい人は予約が必須ですよ!
日本でも珍しい天然高濃度炭酸泉。全身ラムネに
写真:全身が炭酸の泡に包まれる!高濃度炭酸泉
高千穂峰の美しい眺めと神武天皇生誕の地として知られる宮崎県・高原町。この町に今年で約120年を迎える湯之元温泉があります。地元・宮崎でもメディアに取り上げられる人気の温泉ですが、その理由は天然の高濃度炭酸泉。
「ラムネのお風呂」とも呼ばれるお湯は浸かると全身にあっという間にシュワシュワの泡が!炭酸泉は体があたたまりやすいなど医学的にも証明されていているため、人工の炭酸泉も広く利用されています。
この炭酸泉が珍しいのは火山の多い日本の温泉が熱いから。炭酸は熱いお湯には溶けにくい性質なので低い温度のお湯でないと高濃度にはならないのだそう。
そんなレアな天然高濃度炭酸泉が楽しめるとあって昔から湯治場として知られています。
お風呂は3つ。ぬる湯と交互でのんびり浸かればポカポカに
湯之元温泉にあるのは男女それぞれ3つのお風呂。高濃度炭酸泉の源泉は23~24℃とぬる湯です。透明で入ってすぐに全身ラムネ状態に。この源泉を少し沸かしたのが33℃前後の露天風呂となっています。
さらに温かく沸かすと、透明だった湯が茶色のお湯に!
写真:温めると茶色のお湯に!
炭酸はほとんどなく、鉄のような匂いがするお湯に変わるのが面白いですね。温度の違うお湯を交互に入る人が多いのだとか。露天風呂からは夜は星空も見えますよ、と教えてくれたのは若女将の永田さん。お湯にゆっくりと浸かりながらのんびり星空を眺められたら心から寛げそうですね。
飲めるお湯は料理にも。誕生!ここでしか食べられない名物「温泉おにぎり」
この炭酸泉は浸かるだけではなく、飲むこともできます。そこで名物となっているのがこの温泉で炊いたこの「温泉おにぎり」。
名物・温泉おにぎり。もちもちの食感がたまらない!
温泉で炊くとなぜかうっすら緑色に。また食感がもちもちとして美味しいと大評判です。味付けはゴマ塩のみの至ってシンプルなおにぎりですが、湯之元温泉にわざわざ買いに来人もいるほどの人気なんだそう。なんでも以前に宮崎のグルメランキングにもランクインしたことがあるそうですよ。
この温泉で炊いたご飯ですが、宿泊者の人の食事には出てくるので食べることができますが、おにぎりを目当てに訪れてもなくなってしまうことがあるので、絶対食べたい!という
人は電話して予約することをオススメします。朝、電話しても大丈夫ですよ、とのことでした。
どうして温泉でおにぎりをつくることにしたのかと聞いてみると、その昔、湯治として利用していた頃は泊まる人は自分でご飯をつくっていたので、飲めるお湯をそのまま、ご飯を炊くのにも利用したのではないか、ということでした。
きっと、炊いたらこんなに美味しくなるなんて!とびっくりしたかもしれませんね。また、その他湯之元温泉で味わえるのが鯉料理。生け簀があり鮮度抜群の鯉は臭みがなく美味しいと評判です。この鯉を使った料理は日帰り入浴の後の食事としてメニューにもあります。
写真:生け簀からあげたばかりの新鮮な鯉も評判
また、和牛のオリンピックとも呼ばれる全国和牛能力共進会で優勝経験も多い宮崎牛の中でも、高原町は名産地。その高原町がある地区が西諸地区でこの地域で育てられた牛が、西諸牛です。その西諸牛のすき焼きもありますよ。
写真:西諸牛のすき焼きも外せない!
お部屋は全部で3タイプ。では高千穂峰も眺められる
高千穂峰が窓から見える本館の2階にあるさざんか、プライベート感いっぱいの3つの離れ、そして一番スタンダードな6畳の和室が7つあります。
お湯よし、料理よし、で人気の温泉ですが、伺ったところゴールデンウイークの予約が入り始めていますが、平日はまだ大丈夫とのことなので、炭酸泉に浸かってみたい人は早めに電話してみてください。
(取材・文:さこ)
写真:高千穂峰を眺めながらゆっくり過ごせるさざんか
写真:気兼ねなく寛げる離れ