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【大分】由布院の名宿・草庵秋桜があの水戸岡鋭治さんプロデュースで全館リニューアル。最新技術と伝統が同居する館内を見学させてもらった【レポ】

2017年で創業30年を迎える大分県・由布院温泉の旅館・草庵秋桜が9月より全館リニューアルOPENしています。
9月1日から先行して2部屋からお客様を受け付けていましたが、いよいよ9月16日より全館OPENとなっています。今回、そのグランドOPEN直前のタイミングで取材させてもらいました。

大分県由布市湯布院町 由布院温泉 草庵 秋桜 2017年リニューアルOPEN

写真:2017年9月にリニューアルOPENした由布院温泉 草庵 秋桜

新しい秋桜は、もとの構造はそのままに、内装を「九州新幹線」「ゆふいんの森」「ななつ星in九州」など鉄道デザインで九州でもおなじみの水戸岡鋭治さんがプロデュース
自筆の絵や組子細工がいっぱい、まさに水戸岡ワールドの新しい館内です。

水戸岡デザインで散りばめられた伝統工芸と最新技術

由布院でもっとも賑やかな観光エリアの真ん中にありながら、館内に入れば静かな癒しの世界が広がる草庵秋桜。

大分県由布市湯布院町 由布院温泉 草庵 秋桜 2017年リニューアルOPEN

写真:のれんにも水戸岡鋭治さんによる新しい草庵秋桜のロゴが

新しいのれんに、新しいロゴ。このロゴ、いかにも「水戸岡デザイン」でかわいい!私のような「乗り鉄」には、なんだか新しい観光列車を想像させてワクワクします。

中に入ると……なるほどもともとの造りは秋桜のまま。リピーターならば、迷ったりすることはありません。印象としては、一段階「すらり」とした感じです。家具から受ける印象でしょうか。

もともと草庵秋桜、由布院らしい落ち着きがある空間だったのですが、それが水戸岡さんのセンスで再構築されたような感じです。

とはいえ、この空間に、ありふれた「モダン」「和モダン」という言葉は使いたくない……というのは、近代的に見えるところは実は伝統技、そして落ち着いて見えるところには最新技術が使われているからなのです。

大分県由布市湯布院町 由布院温泉 草庵 秋桜 2017年リニューアルOPEN

写真:ラウンジには見事な組子細工のライト。椅子の座面に張られた布も水戸岡鋭治さんデザイン

障子や照明、間仕切りなどに組子細工がふんだんに使われています。福岡県大川市伝統の精緻な組子細工は「水戸岡デザイン」列車にも使われています。その幾何学模様はモダンな印象を与えますが、まさに古くから伝わる日本の伝統工芸です。

また、壁や天井、ドアなどの木材に描かれている草花文様。焼き付けてあるようにも見えるこれは実はインクジェットによる木への「印刷」。サンフットという木材に印刷する最新技術で1日に7枚しか「印刷」できないといいます。館内にはサンフットで印刷した木材を実に700枚も使用しています。

大分県由布市湯布院町 由布院温泉 草庵 秋桜 2017年リニューアルOPEN

写真:サンフットの客室ドア。温かみのある草加文様は年月を経てますますいい色になっていくという

大分県由布市湯布院町 由布院温泉 草庵 秋桜 2017年リニューアルOPEN

写真:サンフットの壁に、サンフットがはめ込まれたベッドボード

ソファの座面などの模様もすべて水戸岡デザイン。

客室は以前は1室をのぞいて、和室二間でしたが、今回のリニューアルでは全室ベッドルーム付になりました。
落ち着いた旅館の雰囲気は残しつつ、コタツの和室はなくなり、ベッドルームとダイニングあるいはソファーのリビングになったのは、やや洋風のホテル寄りの造りになったといえるかもしれません。

大分県由布市湯布院町 由布院温泉 草庵 秋桜 2017年リニューアルOPEN

写真:本館2階のお部屋は長いソファが気持ちいい!

天井にもサンフットの木材を使用。眠るときに見える天井って「ああ、旅館に来ているんだな」という寛ぎのファクターだったりするのですが、この草加文様が散りばめられた天井は素敵な夢へといざなってくれそうです。

水回りは白を基調とした清潔感あふれるホテルテイストに。広々した洗面台に全面鏡が機能的。

本館のバスルームは、シャワールームに変更。ただしシャワーは座って浴びれるようになっているのがありがたい。上からのレインシャワーと手持ちのハンドシャワーがあるのも嬉しいですね。

大分県由布市湯布院町 由布院温泉 草庵 秋桜 2017年リニューアルOPEN

写真:ホテル風になった水回り。シャワールームは座れるうえに、レインシャワーとハンドシャワーの2種類

離れについては、洗い場はシャワーに、露天風呂はいままでどおりです。

大分県由布市湯布院町 由布院温泉 草庵 秋桜 2017年リニューアルOPEN

写真:離れの客室は、お部屋食に対応できるようにテーブルになっている

大分県由布市湯布院町 由布院温泉 草庵 秋桜 2017年リニューアルOPEN

写真:離れの露天は今まで通り

離れと食事処への渡り廊下は真新しい木の廊下に。
オープンエア空間の木の廊下、季節もまだ温かいし「気持ちいいから」と裸足で歩く方が多いそうです。たしかにこれは裸足で歩くのが嬉しい!

大分県由布市湯布院町 由布院温泉 草庵 秋桜 2017年リニューアルOPEN

写真:真新しい木の床が気持ちいい渡り廊下

三世代が集う宿をコンセプトにグループ客の受け入れを可能に

今回の全館リニューアルのコンセプトは「三世代が集う宿」。
「うちも創業して30年になり、最初の頃のリピーターさんがお孫さんを連れていらっしゃるようになりましたので、少し多めの人数のグループ客にも対応できるようにしたいと思ったのです」
と女将の太田典子さん。

最初カップルで訪れたお客様が、今では孫まで連れての3世代旅行で訪れるそうです。

「草庵秋桜」といえば、たしかに個人がほっこり寛ぎにいく旅館というイメージ。
その「個人」が30年の間に、増えた家族みんなで訪れるようになった……ということ。流れる時間がお客様の単位に変化をもたらしたのですね。

今回のリニューアルには、個人向けでありながらも「家族みんな」というグループを受け入れたいという思いが散りばめられています。

たとえば9/13段階でまだ工事中だったが、2つの客室を1室にした二家族が泊まれる客室も登場。工事中の部屋を見せていただきましたが、もともとが広くゆったりした二部屋をつなげているので、かなり広い印象でした。

大分県由布市湯布院町 由布院温泉 草庵 秋桜 2017年リニューアルOPEN

写真:6~8人が食事できる大き目の個室も新しくお目見え

そして今回新たに7~8人、あるいは10人以上で会食できる個室食事処を新設。さらに、小さなお子さん連れに対応したキッズスペース付の食事処も新しく作りました。
子供は食べるのに早く飽きてしまうので、遊ぶ子供を見守りながら大人たちが食事を楽しめるようなスペースということです。

大分県由布市湯布院町 由布院温泉 草庵 秋桜 2017年リニューアルOPEN

写真:ボールプールなどを備えたキッズスペース付のダイニング

大分県由布市湯布院町 由布院温泉 草庵 秋桜 2017年リニューアルOPEN

写真:キッズスペースの絵も水戸岡鋭治さんが描いたオリジナル

仕切りのカーテンには水戸岡さんの絵が。木の下で遊ぶ男の子と女の子。
この絵のように遊ぶ我が子やお孫さんを目を細めながら見守る30年来のリピーターのお客さんの笑顔が想像できます。テーブルの上には美味しいお料理。

「草庵秋桜」といえば、由布院の野菜を活かした美味しいお料理で定評があります。
これからの季節は自家米の新米に由布院野菜のお漬物(中の人がお代わりするほどの美味しい)が楽しみですね!

大分県由布市湯布院町 由布院温泉 草庵 秋桜 2017年リニューアルOPEN

写真:由布院の美味しい野菜を活かしたお料理が楽しみ

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サンフットの木材、そしてそこにプリントされた模様は時間の経過でよりいい色に変わっていくそう。
30年の時の流れの間に成熟して家族を増やしたお客様、そして新しく来館するお客様。
水戸岡デザインの新生「草庵秋桜」は、これからも成熟しながらリピートしてくれるお客様を寛がせてくれるのでしょう。

生まれ変わった「草庵秋桜」の新しい空間、私もぜひ次は久しぶりに宿泊して体験してみたいですね!
もちろん「ゆふいんの森号」でアクセスで……(取材・文:おんせんニュース中の人)


草庵 秋桜

http://www.yufuin-kosumosu.jp/
大分県由布市湯布院町川上1500
TEL0977-85-4567

宿泊料金例)
1泊2食付・1室2名の1名あたり
本館和室 24840円~

標準チェックイン/アウト
15:00/11:00

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