星野リゾートの温泉旅館、界ブランドで15軒目となる「星野リゾート 界 仙石原」が2018年7月27日に箱根・仙石原エリアにオープンしています。この11月1日にオープンする別館も、好評予約受付中です。
写真:11月1日にオープンする別館外観
写真:別館サロンのテラスからの眺め
ミュージアムが多く集まるエリアの特性に着目し、コンセプトは「アトリエ温泉旅館」。館内だけでなく客室内にもアート作品が展示され、アートを体感できる滞在になりそうです。
ご当地部屋は「仙石原アトリエの間」
写真:芸術家の息づかいを感じる「仙石原アトリエの間」
写真:2階客室の露天風呂
界 仙石原のご当地部屋は、仙石原アトリエの間。開業前に開催された「アーティスト イン レジデンス」に参加したアーティストが、客室に宿泊して創作活動を行い、箱根や小田原、仙石原の自然や滞在にインスパイアされた作品が客室内にも展示されています。客室内には製作者や作品内容を記した説明書きがあるそうで、作品を間近で見て筆使いを感じられるだけでなく、作品の内容を知ることで、よりアートへの興味が湧いてきそうですね。
写真:別館スイートの客室露天風呂
客室は、本館13室と11月1日オープンの別館3室を合わせて全16室。全ての部屋のテラスに露天風呂がついており、金時山や箱根外輪山、仙石原高原の雄大な景色を眺めながら、大涌谷温泉から引いた湯の花が舞う湯に浸かることができます。秋には大きく開いた窓や客室露天風呂から、色づく木々を眺めつつゆったりとした時間を過ごすことができそうです。
写真:オリジナルのお菓子はトシ・ヨロイヅカ、ルームキーには自然の野草や花のドライフラワーがあしらわれている
写真:イパダガラスの照明
琉球畳の上にソファーを配したリビングスペースと、フローリングのベッドスペースがある和洋室には、地域を代表するガラス作家・イパダガラス工房の濱舘 寛(はまだて ひろし)氏と村木未緒(むらき みお)氏がデザインするガラスシェードのランプを採用。夜にはガラスシェードの光がお部屋を包み込んでくれます。
「あつ湯」と「ぬる湯」2種類の湯を楽しむ大浴場
写真:あつ湯とぬる湯がある大浴場
客室露天風呂だけでなく、大浴場があるのも温泉好きにはうれしいポイント。内風呂には「あつ湯」と「ぬる湯」の2つの温度の湯船があり、少し白濁し湯の花が舞うあつ湯は、大涌谷から引いたpH2.0の酸性の硫酸塩・塩化物温泉となっています。あつ湯に入ってさっと温まったのち、ぬる湯で刺激のある酸性成分を流しながら肌を鎮静し、同時にじっくりと温まるのがオススメ。桜やもみじの木立を眺めながら、季節の移り変わりが感じられそうです。
写真:大浴場の露天風呂
また、露天風呂の外側に流れる水庭の底には、昼間に光を蓄えた蓄光石がちりばめられ、夜になると星空のように輝くというロマンチックな仕掛けが施されています。みかんジュースや足柄茶が用意された湯上がり処からも蓄光石がきらめく水庭を眺めることができるので、入浴後には涼みがてら景色を楽しんでくださいね。
お食事はアートのセンスが光る器で
写真:半個室の食事処
お食事は、夕・朝食とも格子で仕切られた半個室のプライベートな空間でいただきます。夕食は、遊び心溢れるアーティスティックな器を使用した会席料理。洗練された空間の中で、味だけでなく、アートを体感しながら目でも食事が楽しめそうです。
写真:先付け・サーモンの瞬間燻製 旬のフルーツと小野菜
写真:山海石焼は岩塩とすだち、2種のタレでいただく
先付には、大涌谷の煙をイメージしたサーモンと季節のフルーツを瞬間燻製にしたお料理を。メインは、和牛・鴨・鮑といった山海の高級食材を、約200度に熱した石で好みの焼き加減に焼いてからいただきます。八寸、お造り、揚げ物、蓋物、甘味には季節の食材を使用、神奈川県の日本酒を中心に食事にあうドリンクも多数用意されているそうなので、会話を楽しみながら遊び心溢れるお食事に舌鼓を打ちたいですね。
朝食は、目の前で焼き上げる自然薯ステーキや小田原名物のかまぼこなど、地域色を感じる食材や、郷土の調理法を取り入れたご当地朝食が提供されます。
ご当地楽はアトリエに仕立てたスペースでアート体験
写真:アトリエライブラリー全景 毎週日曜日には週替わりのワークショップが開催される
エリアならではの地域文化を体験できる「ご当地楽(ごとうちがく)」は、画材や絵筆を並べてアトリエに仕立てたアトリエライブラリーでのアート体験。型染作家・小倉充子氏監修による、手ぬぐい染めのプログラムを体験できます。
写真:表現を楽しむ「彩り手ぬぐい」
手ぬぐいのデザインは6種類。箱根の宿場町や、仙石原をイメージした野鳥や草花をあしらったデザイン、何も描かれていない真っ白な手ぬぐいなどから好きなデザインを選び、布クレヨンを使い好きな色をのせたり、自由に絵を描いて完成させます。塗り絵感覚で色付けを楽しめるので、つい童心に返って夢中になってしまいそう。毎日2回開催されるので、興味のある方はチェックインの際に予約をしてくださいね。
写真:2000本の色鉛筆はライブラリー内での使用が可能。スケッチブックに自由に絵を描いて楽しめる。
ミュージアムではなくアトリエ。鑑賞するのではなく表現することが「界 仙石原」のテーマとのこと。個性豊かな宿が点在する箱根に「アトリエ温泉旅館」という新たなコンセプトの宿がオープン。しかも、界ブランドの温泉旅館となれば、一度は宿泊してその場所でしか出会えない魅力を体感してみたいですよね。
(取材・文:hotspring727)