群馬県南牧村(なんもくむら)にある「星尾温泉 木の葉石の湯」は2018年9月に、かつての共同浴場を68年ぶりに復活させた古民家の日帰り温泉施設です。
写真:真新しい檜の香りが漂う浴室
南牧村の北西部、長野県との県境にある集落・星尾地区にオープンしたのは、築200年という古民家を改装した日帰り温泉施設「星尾温泉 木の葉石の湯」です。
星尾地区で「かじか倶楽部」という民宿を経営する米田さんを中心に、過疎化が進む南牧村を少しでも盛り上げていきたいというメンバーが集まり結成された「星尾温泉プロジェクト」の皆さんが、建物の改装だけでなく、源泉からの配管や浴室の増築まで、すべて手作業で行ったという集落への愛が感じられる温泉なんです。
また、鉱泉を沸かすボイラーの購入費用は、最近よく耳にするクラウドファンディングサービスで資金を募ったそうで、同じく温泉を愛するみなさんのやさしさが詰まった施設なんですね。
写真:温泉が湧き出る沢に形成された石灰華段丘
こちらの星尾温泉、おそらく数千年前から湧き出ている塩水鉱泉で、集落に残されている文書「鉱泉発見ノ由来」によると「木の葉が水に入ると、瞬時に化石様になり奇異なる現象を起こす」と書かれていそう。これが名前の由来なんですね。神経痛、筋肉痛、関節の痛み、冷え性などに効果があるんだそうです。
増築された真新しい浴室にはヒノキの香りが漂い、窓から眺めるどこかほっとする景色にのんびりとした時間を過ごせそう。掛け流しのお湯からはほのかに鉄の匂いがしますし、ほんのり茶褐色のにごり湯には湯の花も舞っていて体がぽかぽかと温まります。湯上りにはお肌がツルツルになる美肌の湯でもあるそうですよ。
環境に配慮して、浴室で使用できるのは白樺の樹液で作られたオーガニック石鹸のみなので、シャンプーなどは持ち込まないようにしてくださいね。
写真:囲炉裏の間が休憩スペースとして利用できる
写真:レストラン「せせらぎ」
併設されたレストラン「せせらぎ」では、サラダ・ドリンク付きの「地元野菜カレー」、お惣菜の小鉢3皿にご飯、味噌汁、自家製のお漬物がセットになった「せせらぎ定食」など、新鮮な野菜を使用したお食事もいただけますし、囲炉裏の休憩スペースもあって入浴後もほっと癒やされそうです。
木札に焼印が押された入浴手形が500円で販売されており、購入すると次回から200円引きで利用できます。有効期限は無いそうなのでお近くの方はぜひ。それほど雪が降らない地域だそうで、冬の間も休まず通年営業していますよ。
「星尾温泉 木の葉石の湯」は、今後も少しずつ改良を続けていく予定で、いずれはお客様と村人との交流の場にできればとのこと。これからの展開も楽しみですね。
(まとめ・文:hotspring727 情報更新mashiro:2019年12月)