今年4月、黒川温泉の旅館 南城苑が建て替え工事を完了し、営業を再開しました。
熊本地震から3年。
いよいよこれで黒川温泉の30軒の旅館すべてが無事、そろって営業できるようになりました。
リニューアルした南城苑
写真:温泉街に馴染む古民家のような佇まい
4階建の建物に客室を1室増やして12室となった南城苑。建物の強度に配慮しつつ、黒川温泉の景観になじむよう木造建築の風情あふれる旅館となっています。そのうち3室は、外国人客向けに内風呂を備えた客室に。別館以外の客室と家族湯以外のお風呂はすべて新しく建て替えられました。
さらに全ての客室にはプライベートカウンターがある広縁が設けられ、黒川温泉の景観を楽しめるようになっています。温泉に入ったあと、静かな里山の温泉街を眺めながら涼んでみたいですね。
客室は温泉付き客室、一般客室、別館一般客室の3種類。
写真:温泉付きの客室
源泉掛流し温泉付の客室は、1F、3F、4Fにそれぞれ1室ずつあり、和室と2ベッドの寝室、そして半露天風呂がついています。
窓の外に広がる山々の景観を眺めながら、プライベートに黒川温泉のお湯を楽しめるなんて贅沢ですよね!
一般客室にもカウンター付の広縁があり、カウンターに腰掛けて山や空を眺めながらゆっくり過ごす時間も素敵かも。
別館の客室は、以前の南城苑の特別室を新しく作り変えたもの。純和風の12畳の広々とした空間でのんびり寛げそうです。
30軒の旅館全てで「一つの旅館」
写真:南城苑は黒川温泉でも人気旅館のひとつ
阿蘇のさらに奥地にある黒川温泉郷は、かつて地図にもその名前が載っていないほどの秘境でした。
しかしそこに上質な温泉地を作ることを目指し、現在では里山にある温泉地に多くのファンが全国から訪れるようになりました。
旅館ごとに楽しめる7種類の泉質を生かして3つの温泉を選べる湯巡りの入湯手形を発売するなど、露天風呂めぐりはやはり黒川温泉の大きな楽しみの一つ。
黒川温泉では30軒の旅館、そして里山の風景すべてを「一つの旅館」として考え、宿泊客を迎えています。
2016年の熊本地震では、熊本・阿蘇間のアクセスが不便となったこともありましたが、2018年には、宿泊者数もほぼ地震前の数にまで戻ったとのこと。
しかし観光客の中には、工事中の南城苑の様子を気にしているファンも多くいたようです。
そして今年4月、南城苑の営業再開により30軒の旅館が全て揃い、再び「黒川温泉一旅館」として訪れる人たちを癒してくれることになったのですね。
露天風呂や家族湯などで名湯を楽しめる
写真:湯船の配置が面白い露天風呂「星の湯」
南城苑の中でも、様々なお風呂を楽しむことができるんです。
露天風呂「星の湯」と半露天風呂「月の湯」は、男女日替わりで利用できます。
「星の湯」は、3つの浴槽が積み上げられたようなユニークな形のお風呂。階段で移動できるようになっていて、上に行くほど温度が上がるようになっているそうです。
深さ140センチほどの立ち湯もあり、いろんな温度・深さで温泉を楽しめますね。興味深いのは、泉質は同じでも温泉の色が日によって変わること。透明の日の方が少ないそうですが、入ってみてのお楽しみですね。
脱衣場には「温泉顔蒸し器」というものがあり、こちらはとても気持ちいいと宿泊者に好評のようです。効能としては、古い角質の除去などの美顔効果や、むくみや新陳代謝の促進などによる顔やせ効果なども期待できるそうです。
写真:内風呂「月の湯」
そしてとても開放的な半露天風呂「月の湯」。こちらも山々を眺められる造りになっています。
宿泊者専用の「茜の湯」も設置されました。こちらには内風呂、半露天風呂もあって贅沢に黒川温泉を楽しめますね。
そのほかにも2人程度入れる、家族湯も2つ。
石造りのお風呂と木でできたものがあり、趣の違った浴槽になっています。家族湯は宿泊者は無料で、チェックインからチェックアウトまでの間、空いていればいつでも利用することができます。
黒川温泉の中でも人気の高い南城苑。営業再開を楽しみにしていた人も多いのではないでしょうか。
現在、2019年11月30日までの予約を受付中です。
リニューアルされた客室や、温泉街での散策もぜひ楽しんでみてくださいね。
(まとめ・文:mashiro)