知内温泉 ユートピア和楽園
https://shiriuchionsen.com/所在地
北海道上磯郡知内町湯ノ里284 GoogleMAP
TEL:01392-6-2341
●立ち寄り湯
料金:大人800円、子供(3~12歳)500円、幼児300円
●宿泊について
宿泊料金例)1泊2食付
2名1室の1名14,150円~(税サ込・入湯税別)
北海道は、かつて蝦夷地と呼ばれ、13世紀頃~本州の江戸時代にかけては先住民アイヌ民族独特の文化の時代が続いていました。明治2(1869)年、箱館戦争が終わると新政府は蝦夷地を北海道と改名し、開拓使を設置。ここから“北海道”がスタートします。
それよりもずっと前に開湯したという、道南の「知内温泉」の魅力をご紹介します。
北海道の南端、渡島半島に位置する「知内町」。函館から車で約1時間のところにあります。農業と漁業が盛んで、特にニラ「北の華」は北海道内のニラ生産量第1位を誇っています。漁業ではマコガレイやカキが有名で、「知内ブランド」として知られています。
神社としては、北海道最古の歴史を誇る「雷公神社」が所蔵している『大野土佐日記』という古文書。ここには、鎌倉時代の将軍の命により、元久2(1205)年、甲斐の国から来道した荒木大学という人物によって、砂金堀りが始まったという記述があります。
荒木大学は金堀が進んでいた1244年ころ、山々が鳴動したため上加茂と下加茂の二社を建立。この二つの社は現在の「雷公神社」の前身となりました。そして、1247年に砂金掘りの掘子の一人が温泉を発見し、大学が薬師堂を建立。
「知内温泉」は、この時を始まりとしています。それは、江戸時代中期から後期にかけての探検家で江戸幕府普請役の最上徳内が記した『東蝦夷地道中記』に、知内温泉の薬師堂の棟札には「施主、荒木大学湯主徳蔵 応永11(1404)年の銘があることを発見した」と紹介されているからです。
「知内温泉 ユートピア和楽園」は、1894年、佐藤弥惣右衛門が温泉の権利を買い受けて創業。現在は佐藤昌彦氏が17代目湯守を務めています。
知内温泉には5つの源泉があり、いずれも敷地内から自然噴出しています。長い歴史とともに絶えることのない源泉は、施設の裏手に湯華が石化して巨大なドームを造り、浴槽や浴室の床に歴史の証拠とも言える湯華が石化して幾重もの段を成しています。
源泉の異なる5つの湯は、その日の体調や症状によってどの湯に入るかを選べる「秘湯」として親しまれています。泉質は「ナトリウム‐塩化物・炭酸水素塩泉」で、源泉の温度は65℃と高温です。
知内町の特産品を使い、素材のおいしさを最大限に生かした料理を提供しています。
旬を活かし、その時に一番美味しい食べ方にこだわり、春は山菜などの山の幸、夏は海の幸の魚介類、秋はサケや栗、冬は牡蠣などをメインにした料理が食卓を彩ります。
施設は知内川の支流の湯の川河岸にあり、客室からは、春は色鮮やかな新緑や華やかに咲き誇る山桜を鑑賞、夏は小川のせせらぎが心地よく、秋は燃えるような紅葉を楽しめます。
施設には、和室、和洋室、トリプルとツインの洋室など計27部屋があり、いずれも木のぬくもりを感じ、温かみのあるアットホームな雰囲気があります。
歴史あるお湯に抱かれ、ゆっくりとした時間を過ごせます。
自然豊かな環境にあることから、家業を継いだ佐藤昌人さんが「大自然ごと温泉を楽しむためのサウナ」を発案。サウナを活用したイベントの企画を手がけてきた「ハコダテミライカモン」やサウナ専門家の草彅洋平氏の協力を得て構想を練り、建築家の森屋隆洋氏が設計。7月には完成する予定です。
サウナ小屋は道南杉を用いた木造の三角屋根で、「周囲の自然に調和した意匠」で、室内にはエストニア製のストーブ「サウナム」2台を設置するほか、約60度の源泉を1本流し、熱気と同時に温泉の香りが楽しめるようにする予定です。
サウナ小屋のそばには、川の伏流水を使う天然の水風呂を用意。源泉をそのまま流し込む浴槽も設置。大自然に囲まれた外気浴も楽しめるるそうです。楽しみですね。
歴史ある施設の新しい話題にも注目の施設です。
(まとめ・文:吉川、編集:hotspring727)