知床半島の付け根、羅臼(らうす)町の下にある標津町。標津町市街から約25㎞離れた山林の中にある秘湯が川北温泉です。この秘境を求めて道内外から秘湯好きが集まります。
写真:秘湯と言われる川北温泉
北海道知床半島の付け根にある標津町は、日本有数の鮭の産地として知られる町です。町名はアイヌ語の「シベヲツ」からとも言われています。シベヲツは「サケのたくさんいる川」という意味だそう。
川北温泉は、標津町市街から約25㎞離れた標高約310mの山あいにある秘湯として知られています。明治時代には竹沢の湯と呼ばれて、かつてはいくつかの温泉宿もあったようですが、最期にあった町民保養所が廃業。その時の湯船だけが残り、現在は地元の人が清掃など施設管理をボランティアで行われています。
写真:地元の人が管理しているのでちょっと地味ですが…
標津市街から斜里方面の国道244号へ向かい、直線道路の終わりにある川北温泉入口の表示を見かけたら左折。ダートの林道を5㎞ほど走ると温泉にたどり着きます。入口から温泉まではとても狭く、崖に面しているので運転にはご注意! 笹の沢林道が閉鎖されない6月中旬から10月中旬頃に入浴可能となります。
写真:温泉入口の看板
脱衣所以外には少し離れた場所にトイレがあります。男女別の浴場があり、浴場には岩風呂になった露天風呂が1つ。3人くらいが入浴できそうな大きさで、天然の源泉掛け流しのお湯を使用しています。泉質は乳白色のナトリウム塩化物泉。シャワーはないので、掛け湯してから入浴しましょう。
写真:脱衣所
写真:手書きの効能が庶民的!
近くには標津遺跡群があり、国指定史跡である「伊茶仁カリカリウス遺跡」、「古道遺跡」、「三本木遺跡」の3つの遺跡と、伊茶仁川沿いに残された国指定級の遺跡群から成っています。
写真:遊歩道が敷かれているポー川湿地
標津遺跡群の最大の特徴は、数千年も昔の竪穴住居跡が窪みとして確認でき、しかもその数が日本最大の規模を誇ることがあげられます。標津遺跡群のうち伊茶仁カリカリウス遺跡は、ポー川史跡自然公園内で保存整備され、その出土品とともに一般公開されています。
温泉のあとは古代遺跡に触れるのも北海道の雄大さに深みを感じられておすすめですよ!
写真:国指定史跡である伊茶仁カリカリウス遺跡。
(まとめ・文:吉川)