ラジウム温泉で知られる村杉温泉の「静かな森と明治・大正離れの宿 環翆楼」に新しいタイプのお部屋「せせらぎの間」がリニューアルオープンしました。
家族でも入れる広々とした貸切風呂も新設され、和の風情はそのままに、ますます寛げる空間へと進化を遂げています。
6000坪の敷地にわずか9室の「翠に環まれた楼」
写真:池を取り囲むように離れが点在している
新潟市から車で約40分、新潟県阿賀野市の五頭温泉郷のひとつ村杉温泉は、日本三大ラジウム温泉とも言われる全国有数のラドン含有量を誇る効能豊かな温泉で知られています。
御歌会の点者でもあった歌人・千葉胤明が、宿の風情を「緑に囲まれた館」(翠に環まれた楼)と詠んだことから「環翠楼」と命名されたそうで、6000坪もの広大な敷地に、なんと客室は9室のみ。森の中にある池を囲むように明治・大正・昭和の木造建築が離れ形式で点在しています。
敷地入口には村杉温泉の名前の由来でもある杉並木があり、木漏れ日が差し込む小道はどこか神秘的で、これから始まる非日常世界への期待を感じさせてくれます。
写真:敷地の入り口にある杉並木
離れ「せせらぎの間」が温泉付ベッド客室にリニューアル
写真:木の香りと温もりが感じられる「せせらぎの間」のベッドルーム
以前は純和風の造りだった「せせらぎの間」は、ベッドルームとダイニングルームを設け新しいタイプのお部屋にリニューアル。ゆったりと眠れるようにとシモンズのセミダブルベッドを採用してます。
こちらのベッド、予約時にお願いすると2台を1つに並べて240cmの幅広のベッドのようにしてもらえるので、間にお子様を挟んで寝ることもできるそう。落ち着いた大人の宿という雰囲気ですが、ファミリーへの心遣いがあるのも嬉しいですね。
写真:ダイニングのテーブルやイスはいくつもお店を巡り、実際に座って納得のいくもを採用。
ソファーがあるダイニングルームは、足元にはパネルヒーターが設置されているので、テーブルだと足先の冷えが気になる季節にも暖かく過ごせそうです。
通常、朝ご飯を準備するときのみ使用しますが、希望があれば和室ではなくテーブルでお食事をいただくこともできるので、長時間座ると足の負担が気になる…という方は相談してみるといいですね。
写真:浴槽内は石、壁と縁は香りと肌触りが良いヒノキが使われている。
部屋付きの温泉も今回のリニューアルで新しくなりました。新鮮なお湯が常に湯口から注がれているので、滞在中は入りたいときにいつでも温泉を楽しむことができます。
浴槽は2人で入れるほどの大きさなので、2人で入るのもよし、気が向いたときに1人でゆったり…というのも贅沢でいいですよね。
洗面スペースにもパネルヒーターが備えられているので、慌てて着替えなくても寒くありません。
写真:「せせらぎの間」のテラス
離れ専用の庭を眺められるテラスに出ると、小川のせせらぎが聞こえてきます。
リビングの横にはコーヒーやお茶のセットが用意されているので、テラスで食後のコーヒーをいただいても美味しそうですね。
写真:左・空調設備や収納が改善された本間 右・床は若女将こだわりの栗のなぐり仕上げ
広々とした貸切風呂が新設
写真:新設された貸切風呂
温泉付客室に泊まらなくてもプライベートな空間でお風呂が楽しめるようにと、せせらぎの間と大浴場の間に貸切風呂が新設されました。4〜5名でも利用できる広々としたお風呂で、カランもシャワーもあるので家族でも安心して利用できます。
扉のカギを閉めると入口のランプが点灯する仕組みなので、使用中のランプが消えていれば、15:00~翌朝9:30までいつでも無料で使用することができます。
写真:貸切風呂は脱衣所も広々
浴室だけでなく、脱衣所も広々とした使い心地の良い空間に。おむつ交換台があるので、小さなお子様連れでもストレスレスで温泉を満喫できそう。トイレも車いすの方でも利用できるようになりました。
環翠楼では、せせらぎの間や貸切風呂以外に、国の有形登録文化財に指定されている「大正の間」や廊下も改修され、以前からの日本らしい趣はそのままに、より快適に過ごせるように進化しています。
歴史ある名建築の宿で、自然に囲まれ、日常を離れたプライベートな空間で温泉に浸かれば、リフレッシュして仕事や家事を頑張れそうです。
写真:国の有形登録文化財に指定されている「大正の間」外観
白鳥の飛来や湯めぐりも楽しみ
杉村温泉から車で約10分のところにある瓢湖はラムサール条約に登録されていて、小さな湖に毎年約6000羽もの白鳥が飛来することで知られています。
早朝にエサを求めて飛び立ち、夕暮れにはまた湖に戻ってくるのだそうで、例年渡来する10月上旬から北方へと去る3月末頃まで、白鳥たちの優美な姿を見ることができるかもしれません。
また、五頭温泉郷には村杉温泉、今板温泉、出湯温泉の3つの温泉があり、宿以外にも6つの外湯があるので湯めぐりを楽しむこともできますよ。
(まとめ・文:hotspring727)