秋田と言えば…で思い浮かべる方も多い「なまはげ」。通常は大晦日に男鹿市内の民家に現れる「なまはげ」ですが、2月7日から9日のなまはげ柴灯まつりでも見ることができるんです。こちらは、伝統的な神事と民俗行事の「なまはげ」を組み合わせた、冬の一大イベントとなっているんですよ。
写真:この姿を見れば「秋田」を思い浮かべるほどメジャーななまはげ
「なまはげ」は、秋田県男鹿半島で古くから伝わる民俗行事で、大晦日に男鹿市内の約90の集落で行われています。民家を巡り、悪事に訓戒を与え、災禍を祓い、祝福を与えて去っていきます。
「泣ぐ子はいね〜が〜!!!」と大きな声でさけびながら民家に現れ、泣き叫ぶ子供の様子を、テレビなどで一度は見たことがあるのではないでしょうか?
男鹿のナマハゲとして1978(昭和53)年には、国の重要無形民俗文化財に指定され、2018(平成30)年にはユネスコ無形文化遺産にも登録された秋田を代表する伝統行事なんですよ。
ちなみに「なまはげ」は一見鬼のような外見をしていますが、本来は悪事を諌め、災いを祓う「来訪神」で鬼ではないんですよ。地域によって外見が異なりますが、赤面と青面で1対とされており、赤面は「ジジナマハゲ」、青面は「ババナマハゲ」と呼ばれているところもあります。青面は「ババ(女性)」なんですね!!
写真:青いナマハゲはなんと「ババ(=女性)」!
みちのく五大雪まつりの一つ「なまはげ柴灯まつり」
通常は大晦日に市内の民家で見られる「なまはげ」。実際に民家に現れるなまはげを、観光客が見ることは難しいところです。この「なまはげ柴灯(せど)まつり」は、そんななまはげを見ることができるチャンスです。
このまつりの会場は、秋田県男鹿市にある真山神社。900年以上前から真山神社で行われてきた「柴灯祭(さいとうさい)」という神事と「男鹿のなまはげ」を融合させたもので、1964(昭和39)年より開催されており、今年で57回目となります。
みちのく五大雪まつりの一つに数えられています。ちなみに、五大雪まつりは「いわて雪まつり(岩手県)」、「弘前城雪燈籠まつり(青森県)」、「横手かまくら(秋田県)」、「八戸えんぶり(青森県)」、そして「なまはげ柴灯まつり(秋田県)」ですよ。
写真:みちのく五大雪まつりの1つに数えられる
3日間開催される「なまはげ柴灯まつり」の内容は、若者が神(しん)が入ったなまはげの面を授かり、身につけてなまはげと化す「なまはげ入魂」、大晦日に民家で行われる「なまはげ」を再現する「なまはげ行事再現」など。テレビなどで見たことがある、いわゆる「なまはげ」は、ここで見ることができますよ。
その後は「なまはげ踊り」、「なまはげ太鼓」と続きます。「なまはげ太鼓」には、以前おんせんニュースでも取り上げた「恩荷」も登場しますよ。
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まつりのクライマックスは、「なまはげ下山・献餅(けんぺい)」。松明をかざしたなまはげが闇の中から現れ、雪山から降りて来ます。その姿はこの世のものとは思えない雰囲気で、とても荘厳かつ幻想的。
写真:山から下りてくるなまはげ。
続く「献餅(けんぺい)」は、神に献ずる護摩餅を神の使者なまはげに進ずる儀式です。神官の捧げる柴灯火で焼かれた大餅には神力が宿り、なまはげは容易に触れることができません。ようやく護摩餅を手にしたなまはげは、神の元へ帰って行きます。
その後は、地域各地の特色あるなまはげが登場します。一言で「なまはげ」と言っても、怖〜いものから、可愛らしいものまでユニークななまはげを一度に見ることができますよ。
まつりが一連の流れになっていて、盛り上がりに一体感がありますね。見所ばかりなので目を離す暇がありません。
真山神社までのアクセスには臨時バスが便利。男鹿の温泉とご当地グルメも温まる
「なまはげ柴灯まつり」の会場となる真山神社までは、通常の路線バスはありません。男鹿駅近くの道の駅おがなまはげの里 オガーレから会場まで直行の臨時有料バスが運行しますよ。男鹿駅まではJR男鹿線を利用しますが本数が多くありませんので、ダイヤの確認をお忘れなく。
また、車で会場に向かう場合も当日は会場付近で交通規制の予定があります。会場にほど近い「なまはげ館前~真山神社駐車場」までの間で通行止めとなりますので、ご注意を。
男鹿温泉郷にはお湯自慢の温泉が揃っていますよ。立ち寄り湯も利用できるので、なまはげ柴灯まつり前に湯めぐりを楽しむのも良さそうです。冬季休業中の温泉施設もありますので、ご注意くださいね。
また、男鹿温泉郷からも「なまはげ柴灯まつり」会場への臨時有料バスが運行しますよ。
旅に欠かせないグルメ。男鹿の名物といえば「石焼料理」。桶の中に水と魚を入れ、真っ赤に焼けた石を入れて一気に煮立てた野趣溢れる料理です。新鮮な魚介の美味しさはもちろん、瞬間的に火が通る様子は目でも楽しめるご当地グルメですよ。熱々の海鮮鍋で体もポカポカになりますね。
写真:石焼料理例(男鹿ホテル)
荘厳な雰囲気の中開催される「なまはげ柴灯まつり」。今まで知らなかった「なまはげ」の世界が見られそうですよ。ぜひ足を運んでみてくださいね。
(まとめ・文:ゆきさね 情報更新mashiro:2019年12月)