秋田と宮城の県境近くにある泥湯温泉は、平安時代から続く湯治場として知られています。
その泥湯温泉で、2016年に全焼した奥山旅館が2019年4月15日にリニューアルオープンしました。
写真:リニューアルオープンした奥山旅館
秋田県湯沢市、栗駒国定公園内にある泥湯温泉は、高松川上流から湧き出ており、平安時代に開湯したとも伝えられています。
泉色が泥水のような濁り湯であったことから、泥湯温泉と名付けられました。
江戸時代頃には安楽泉の別名でも呼ばれ、1680年には湯宿が開設されました。
そんな、わずか2件しかない旅館の1軒、奥山旅館が2016年火災で焼失。しかし、「残っている風呂だけでも再開して欲しい」という多くの声が寄せられ同年には日帰り営業を再開されました。
それから約3年後の2019年4月15日、リニューアルオープンされ宿泊も再開されました。
写真:日本秘湯を守る会会員
3つの源泉から引いた3つの湯
そんな奥山旅館の一番の魅力は、やはり源泉かけ流しの温泉でしょう。
新湯、天狗の湯、川の湯と呼ばれる3つの湯は、全て別々の源泉から引かれたものなんです。
そのため泉質も異なり、一度で3つも楽しめるという贅沢を味わえるんですよ。
●新湯(男女別大露天風呂)泉質:単純泉
解放感いっぱいの露天風呂では、秋には紅葉、冬には雪と、四季折々の風情が味わえます。
●天狗の湯(混浴露天風呂・男女別内湯)泉質:酸性 / 鉄・硫酸塩泉
別館の混浴露天風呂と内風呂では、浴槽の木のぬくもり、川のせせらぎ、原生林の眺めと五感で癒やされます。
●川の湯(女性専用露天風呂)泉質:硫黄泉
今回のリニューアルに伴い、女性専用の岩風呂が新しくできました。
写真:天狗の湯(内湯)
奥山旅館のみんじゃ(台所)で料理された自家栽培や手作りの郷土料理を、お食事処にていただくことができます。
ご主人おすすめの地酒も一緒に味わうことができますよ。
写真:お食事処で郷土料理と地酒はいかが?
日本三大霊地の川原毛地獄
宿から1.7kmの場所には、青森県の恐山、富山県の立山と並ぶ日本三大霊地の1つである川原毛地獄もあります。
写真:白い山肌が特徴的な川原毛地獄
凝灰岩類からなる山が、温泉や噴気活動の影響で変質したために、全体が白い山肌と奇岩に覆われ特異な自然景観となっているんです。
秘湯として名高い天然の露天風呂、川原毛地大滝湯もあるそうなので、自然を楽しみながらのお湯も楽しますね。
なお、冬季は2、3メートルもの積雪があるため通行止めの可能性があるのでご注意を。
写真:川原毛大湯滝では、7月~8月位まで滝つぼで天然の温泉に入ることができる
(まとめ・文:Ai)