歴史ある老舗温泉地・山中温泉の街並みを、ご当地自慢のアイス片手に散策しませんか? 温泉の源泉から作ったというアイスキャンディーのほか、山中温泉でしか食べられない35種類のオリジナルアイスがあるんです。
山中温泉の歴史はとても古く、今から1300年前の奈良時代に、高僧・行基が発見したと伝えられています。行基は丸太に薬師仏を刻んで「ほこら」を造って温泉のお守りとしました。多くの人が山中を訪ね、その湯で病いや疲れを癒したとされます。
あの松尾芭蕉も弟子を伴って日本各地を旅した奥の細道の途中、元禄2年7月27日に山中温泉を訪れ、「山中や 菊は手折らじ 湯の匂ひ」という句を詠みました。
「山中温泉アイスストリートマップ」を片手に温泉街を散策
何を隠そう、石川県はアイスクリームやシャーベットの年間消費量が全国トップクラスなんだそう。
そのせいか、山中温泉にはアイスのお店が多いということを観光客の方々から聞いたことをヒントに、2017年の冬あたりから「山中温泉アイスストリート」というネーミングを付けPRしていったという訳です。
写真:温泉街を散策。ぜひ、アイスストリートマップを持って!
実際にアイスクリーム通りというものがあるんです。
山中温泉の中心部にある共同浴場「菊の湯」。
天平風の力強い外観の男湯と、「山中座」に併設しており優雅な曲線からなる屋根が美しい女湯と、男女別棟で建っています。男女別々に建てられている共同浴場というのは全国的にも珍しいようですね。
写真:清潔感あふれる広々とした菊の湯男湯の内観
写真:菊の湯 女湯は建物も女性らしい
男湯は深さ1メートルの立ち湯で、女湯は浴槽内で浅めと深めの段差が設けられています。その女湯の菊の湯から大聖寺川の方へ向かおうと男湯の菊の湯の前を横切ったところに「アイスクリーム通り」と書かれた看板があります。
写真:この看板が目印!
その通り沿いに、山中温泉でしから食べられない35種類の個性派アイス(200円~)と、各ショップでも販売されている山中温泉を使用した「菊の湯アイスキャンディー」(200円)を販売するお店がずら~り!
飲食店やカフェ、お菓子屋での販売はもちろん、肉屋や自転車屋などでもオリジナルのアイスが販売されているというからユニークな町ぐるみの取り組みです。
まず食べて欲しいのが「菊の湯アイスキャンディー」
菊の湯アイスキャンディーは、山中温泉の源泉をベースに菊の花びらを散らした清涼感あふれるアイスに仕上がっています。
なぜ菊の花? それは前述の芭蕉の句の「山中や 菊は手折らじ 湯の匂ひ」に「菊」という文字があることに由来し「菊の湯」が命名されことから。ロマンを感じますねー。
写真:レトロな優しいパッケージ
写真:形も菊の花、黄色のは菊の花びらのアイス。浴衣に合いそう!
35種類は何日あったら食べられるのだろうか! ぜひ、家族や気の合う友達といろいろシェアしたいものです。
1772年(安永元年)創業の酒屋の地酒「松浦酒造」の「獅子の里 酒粕ソフトクリーム」(400円)はコクがあって美味。さっぱり食べたいなら「山中座」の「加賀梅シャーベット」(330円)がおススメ。異色なのが「手作り餃子長樂」の「てんぽなラー油アイスクリーム」(320円)。アイスにラー油って有り?
写真:松浦酒造の酒粕ソフト
写真:山中座の加賀梅シャーベットはさっぱりしてお酒の後でもいいですねー
写真:見た目は普通ですが、刺激的なラー油入りアイス!
もっともっと知りたい方は、こちらをご覧くださいね→https://www.yamanaka-spa.or.jp/icestreet
ちなみに、菊の湯アイスキャンディーは、マップのキャンディーマークがあるお店や施設で購入可能。菊の湯アイスキャンディーの売り上げの一部は、山中温泉財産区を通して温泉の運営と振興に使われています。
開湯以来1300年。あの松尾芭蕉は山中の湯を、有馬・草津と並ぶ「扶桑の三名湯」と讃えましたが、そんな今も昔も多くの人に親しまれた山中温泉郷。緑豊かな山々や渓谷、遊歩道も整備されていますので、ぜひたくさんのアイスとともに四季折々の山中温泉を味わってくださいね。
(まとめ・文:吉川)
写真:鶴仙渓での森林浴は気持ちが良い!
写真:落ち着いた雰囲気の芭蕉堂