熊本県の八代駅から鹿児島県の隼人駅までを結ぶ、風光明媚な景観を楽しめるJR肥薩線。SLや豪華な観光列車も走る、人気路線です。
この肥薩線の駅に、明治時代から現存する鉄道遺産に泊まれてしまう宿泊施設が2019年8月にいよいよオープンします!
旧国鉄の駅舎や離れの古民家をリノベーション
写真:チェックインは人吉駅で。矢岳駅までは観光列車「いさぶろう」号で移動して宿へ
今回、ホテルに生まれ変わるのは、肥薩線の矢岳駅にある、駅長官舎と離れの古民家。矢岳駅には、肥薩線開業当時に建てられた、築100年を超える木造の建物が現在でも残っているんです。
旧国鉄矢岳駅長官舎は有形文化財にもなっているほど、貴重なものなんですね。ノスタルジックな歴史的建造物に泊まれる特別感が味わえそうです。
旧国鉄矢岳駅長官舎は定員4名の客室A(102㎡)に、そして離れの古民家は定員4名の客室B(66㎡)にリノベーションされます。
写真:今治タオルや自家焙煎コーヒーなどアメニティも充実した客室
オープン当初は、客室A「星岳」の方のみの営業となります。旧国鉄矢岳駅長官舎は登録有形文化財のため、リノベーション後も外観はほとんど変えていないそうです。貴重な建物に宿泊できるんですね。
また、歴史的建造物に現代のデザインを融合し、人吉という地域の暮らしや雰囲気を味わえるように工夫されているということで、楽しみですね。
写真:内装やこだわりの家具の一つ一つもハイセンスなものばかり
肥薩線沿線は見どころがいっぱい!
写真:1909年開業の矢岳駅
もともと、JR肥薩線には、明治時代の開業当時からの無人駅や旧駅長宿舎などの木造建築が残っていることで知られ、鉄道ファンからも人気が高かったそうです。
そしてホテルがオープンする矢岳駅のあたりは、えびの高原と霧島連山を望む「日本三大車窓」の一つと言われるほど、車窓も素晴らしいエリアです。
朝には幻想的な霧がかかり、雲海が見られることもあります。
また、小説の中で、「日本でもっとも豊かな隠れ里」と記されているほどで、国宝の青井阿蘇神社などの文化財も多く残されていたり、室町時代から500年の歴史ある球磨焼酎でも有名です。
球磨焼酎は、世界最高峰の米焼酎とも言われていて、スッキリしたフルーティーな香りが特徴。人吉・球磨エリアには28もの蔵元が点在しているんです。
さらに温泉の源泉が50もあり、人吉城近くには、歴史ある外湯「人吉温泉 元湯」も。美肌の湯を日帰りでも楽しめますよ。
そんな魅力あふれる人吉エリアをより多くの人に楽しんでもらうため、肥薩線の歴史的建造物をホテルとして再生させることになったのだそうです。
ホテル開業に先立ち、レストラン「囲炉裏キュイジーヌLOOP」がオープン
写真:レストラン 囲炉裏キュイジーヌLOOPでいただく夕食
2019年のクラシックレールウェイホテルのオープンに先立ち、2018年、肥薩線大畑駅にレストラン「囲炉裏キュイジーヌLOOP」がオープンしました。
大畑駅は急勾配を登るため、線路が螺旋状に敷かれた「ループ線」の中に、勾配を登るために進行方向を切り替えながら進む「スイッチバック」が敷かれた、日本で唯一の駅であることでも知られています。いかに山間部にある駅かがわかりますよね。
旧国鉄保線区詰所の建物をリノベーションしてオープンしたレストランでは、熊本産の黒毛和牛を使ったランチや、球磨焼酎もいただけますよ。
ホテルに宿泊した場合の食事もこのレストランになります。ホテルからレストランへの移動は列車、レストランからホテルへの移動はクラシックタクシー(ロンドンタクシー)とのこと。
写真:ディナーの後はクラシックカーで宿へ移動
「ななつ星」や「いさぶろう」などの観光列車でも注目を集めている肥薩線ですが、列車で走るだけでなく、クラシカルなホテルに泊まり、食や温泉など沿線の魅力をたっぷり味わってみてはいかがでしょうか。
写真:1日1組だけの贅沢な宿泊
(まとめ・文:mashiro)