コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大によって、温泉旅館・ホテルなどに大きな影響が出ています。北海道、宮城、和歌山などの温泉地でもリゾートホテルを運営しているカラカミ観光株式会社(https://www.karakami-kankou.co.jp/)の唐神耶真人代表取締役社長に、全4回にわたってお話を伺いました。
第2回は、カラカミ観光が先日販売を開始した「未来宿泊券」についてお話を伺い、観光業界全体に見られるクラウドファンディングや予約販売などについてのお考えを伺います。 【「未来宿泊券」に関するプレスリリースの内容はこちらを参照】
Q.カラカミ観光の全ホテルを対象に7月17日まで(一部6月末まで)の期間限定で《未来宿泊券》を販売されています。どの様な宿泊券なのでしょうか?
A.従来の有効期限が半年程度の宿泊券とは少し違い、未来宿泊券では有効期限を1年間と定めております。
新型コロナウイルスの感染が減少傾向にある中でも、お客様が「安心して旅行に行ける」と感じるタイミングはそれぞれです。
そのすべてのタイミングにお応えできるよう、有効期限を長く設定し、かつ、3種類のチケットを用意することで用途に応じた内容(飲み放題付やお土産付、除外日一切なし等)をお選びいただけるようご用意しております。
Q.旅行の計画も含め、なかなか「見通し」を立てにくい状況ですが、《未来宿泊券》にはどの様な思いが込められているのでしょうか?
A.楽しみにしていた旅行やイベント。久しぶりに再会するはずだった友人や家族。昨今のコロナウイルスの蔓延により、多くの皆様が外出自粛によって思い描いていた未来を失いました。
緊急事態宣言が解除となっても、明確な収束の見込みが見えない中で、皆様に少しでも明るい未来をお届けできるよう《未来宿泊券》の販売を開始しました。
旅行に行きたくなった時。その時をより素敵な時間に変えるお手伝いをさせてください。美味しいお食事に極楽のお風呂、まごころのおもてなしで皆様をお待ちしております。
Q.《未来宿泊券》にも短期のファンディングという側面もある様に思いますが、そういった面も意識しているのでしょうか?
A.同様の宿泊券がファンディング形式で展開されている話も耳にしていますが、我々が販売に至った経緯は異なります。
コロナ禍においても営業を続けていく中で、御来館頂いたお客様から「対策がしっかりしていたので安心して滞在できました。楽しい時間を有難う」という声や、やむを得なくキャンセルとなったお客様から「楽しみにしていたのに残念」「コロナが落ち着いたら必ず来ます」など、励みになるお言葉を沢山いただきました。
その様なお客様に何とか恩返しをしたいと思い、楽しみにしていてくれる多くのお客様への感謝の気持ちを《未来宿泊券》に託し、販売を開始いたしました。
Q.各地の温泉旅館・ホテルなどがクラウドファンディング、宿泊チケットなどの予約販売、通販強化、温泉宅配など新型コロナウイルス感染症の感染拡大への対応策として新しい動きを見せています。カラカミ観光としては、この様な動きをどう見ていますか?
A.過去に例のない未曽有の事態に伴い、各社様々な切り口を模索しながらこの危機を脱しようと策を講じている状況かと思います。
国民の生活において「新しい生活様式」が提唱されているように、我々の業界においてもこれまでの経営様式を抜本的に見直す必要があり、時に、今まで積み上げてきたものを自ら否定する必要性がある。
Withコロナ・ポストコロナ時代における新たなホテル業界、サービス業界の常識や顧客ニーズをいち早くキャッチし、それに応えていく迅速な変化が求められていると強く感じております。
Q.7月以降も《未来宿泊券》の様な新しい企画があるでしょうか?
A.7月以降に関しましてもお客様に期待を超える顧客体験を提供できるような様々なコンテンツ企画をご用意させていただいております。
Withコロナ・ポストコロナ時代においては、万全なコロナ対策を実施していることが当業界においては大前提となるので、それらを徹底したうえで、これまで緊急事態宣言下で自粛していた皆様に安心してご来館頂けるよう万全の状態を整えました。
新しいコンテンツ企画の第一歩として、和歌山県南紀白浜に大型ミュージアム「川久ミュージアム」を7月1日にオープンいたします。世界中の匠の技巧を凝らした建築物や保管しているオーナーコレクションを公開し、私設美術館としての運営も開始いたします。 【「川久ミュージアム」に関するプレスリリースの内容はこちらを参照】
第3回は、Karakamiの安全・安心推進宣言について教えていただきます。
(取材・執筆・制作:Vermiliおん)