山形県大蔵村の肘折温泉では、毎年恒例の「地面出し競争」が来年も2月23日に開催されます。
第10回目の記念大会となった2019年は30チーム167名が参加したという「地面出し競争」、どのような競技なのでしょうか。
地面出し競争ってどんな競技?
写真:それぞれの競技フィールドで降り積もった雪から地面を掘り出す!
2019年はラグビーワールドカップで日本中が盛り上がりましたね。
肘折温泉で毎年開催されるワールドカップといえばこの地面出し競争!
実は旧肘折小・中学校の雪上運動会として行われてきた伝統的な競技だったんです。
学校の閉校に伴い、地面出し競争 WORLD CUP in Hijioriとして2010年から一般の参加者を募集して競技大会が行われるようになりました。
競技はいたってシンプルで、積もった雪を早く掘って地面を出すというもの。
チーム単位で競技フィールド(直径4メートル)の雪を掘り、掘り出した土を審査員に届ける時間を競います。
1チームの人数は6名、競技フィールド内には4名まで入り、交代することができます。
雪を掘るスコップや、掘った雪を運び出すスノーダンプは各チームでの準備、または遠方からの参加の場合は貸してもらうことも可能です。
今年は先着順で40チームを募集します。昨年はおよそ3分の1は県外からの参加だったようです。
単純に見えますが、実際にはものすごく大変でエキサイティングな競技なんですよ。
肘折温泉の積雪量がすごい
写真:積雪量が毎年話題になる山形県の豪雪地
何が大変かと言うと、なんといっても雪の深さ。
肘折温泉は全国でも有数の豪雪地帯で、積雪量はなんと4mを越えることもあるのです。
4mというと2階建ての住宅の高さほどでしょうか。すごい高さの雪にすっぽりと覆われてしまいそうですよね。
2018年2月には、4メートル45センチと過去最高を更新。
おんせんニュースでも紹介している、積雪量で温泉宿泊料が割引になるドカ雪・大雪割キャンペーンも毎年行われており、2018年の豪雪では「最大記録を更新したら宿泊料無料」が初めて適用されたこともニュースになりました。
https://onsennews.com/news180115_ooyukiwari_hijiori/
チームごとに戦略を立てて、地面を掘りだす!
写真:人がすっぽり入ってしまうほどの雪の深さ
この大雪の中から地面を掘りだす「地面出し競争」、いかに大変かがわかりますよね。
当日は9時40分からの開会式からスタート。
競技の前に10時からソリンピック in 大蔵山シャンツェが行われます。これは雪を掘る競技フィールドを選択する順番を決めるための予選競技。ソリに乗って、どれだけ長く滑るかを競います。
雪の深さは地面出しの時間に大きく影響するので、どの場所を掘るかというのは重要ですよね。
そしていよいよ11時から地面出し競技がスタート!
参加者は自分達のフィールドをめがけて一斉にダッシュです。大雪の中、半そでTシャツの参加者もいるようです!
各チーム、それぞれいろんな戦略を立ててこの競技に臨んでいます。
2019年の優勝チームはとても人が入れないような小さな穴で掘り出していました。2つのスコップで雪を挟み、掘り出す作戦だったようです。
2位は地元消防署のチーム。2人が穴を掘り、他の2人が雪をどかして足場を確保するチームプレーで戦いました。
最下位のチームは40分30秒かかったそうです。
40分間ひたすら雪を掘り続ける・・・かなりの重労働ですよね。
そして地面を掘りだしたら土を持ってゴールへ!
優勝チームには、金メダルならぬ金のスコップが授与されます。2位のチームには銀、3位のチームには銅のスコップ。
また10位以内の場合は次回大会に出場できるシード権を獲得できますよ。
2019年の大会の様子はこちらから。
https://youtu.be/DQH8Z5T92Io
競技の後は肘折温泉のお湯でリフレッシュ!
ハードで楽しい地面出し競争の後は、温泉で疲れを癒したいですよね。
競技会場から温泉街までは徒歩10~15分ほどです。
肘折温泉は1200年もの歴史ある温泉郷。風情ある温泉街では、長期滞在の湯治から日帰り入浴まで楽しめます。
泉質は保湿効果が高く、古い角質を洗い流す美肌の湯。温泉施設によって、泉質が違うので湯めぐりをするのも楽しそう。
温泉街の中心にあるシンボル的存在、上の湯は、宿泊客は無料で入浴することができます。お地蔵さまの台座から掛け流しの源泉が湧き出る内湯。なんだかありがたい温泉ですね。
入浴料は大人250円、子供100円とリーズナブル。
石造りの展望浴場があるのは、肘折いで湯。体調に合わせた入浴法を相談することもできるそうです。入浴料は大人450円、小学生250円です。
肘折温泉へのアクセスは東京からは新幹線とバスを乗り継ぎ約4時間半。遠方からの参加の場合は温泉にゆっくり宿泊するのがよさそうですね。
旅館で山菜やきのこなどの山の幸がたっぷりの食事を味わったり、温泉街の散策も楽しそうです。
2020年地面出し競争第11回大会の参加申込はいよいよ年明け1月6日(月)から。下記の公式サイトから申込できます。
来年はあなたもぜひ金のスコップをめざして参加してみませんか?
(まとめ・文:mashiro)