熊本県は南阿蘇・高森町で風変わりなグルメイベントが開催されています。その名も「高森ニャンポ・さけかすさんぽ8歩め」。サブタイトルに「冬は高森でさけかす巡り」とあるように、酒粕を使ったグルメが高森町内14か所の飲食店・宿泊施設に14種類も勢ぞろいします!
酒粕料理というと「粕汁」とか想像しますが、パンフをみると、高森名物の田楽をはじめ、ガッツリステーキと食事系のみならず、酒粕ラーメンに酒粕スイーツや酒粕パン、酒粕のチーズまで!
各店創意工夫を凝らした粕料理の味は、イベント期間中のみのものも多くぜひ食べておきたいもの。発酵食でもある粕ですから腸内フローラを育てる「菌活」、健康にもよさそうですね。
高森に根付く発酵文化の象徴が粕グルメ
魅力的なメニューが満載なんですが、なぜに高森で粕フィーチャー? ……という問いに答えてくれたのは、徳丸漬物の徳丸将悟さん。徳丸漬物では阿蘇産チーズの粕漬けを出しています。
「高森には、約250年続く老舗の酒蔵「れいざん」があります。実は阿蘇のカルデラの中にある酒蔵はここだけなんです。盆地で冷涼な気候の高森町は酒造りに向いているんですね。
また高森にはカルデラの中唯一の醤油蔵もあります。それで、阿蘇カルデラの中の発酵文化の象徴として粕料理、粕グルメをアピールして差別化していこうということになりまして……」
たしかに「粕」に特化したご当地グルメイベントなんてググってもどこにも見つかりません!「さけかすさんぽ」で使われる粕はすべて「れいざん」のもの、なぜ今の時期かというと新酒を絞った新鮮な粕が手に入るからだそうです。
れいざんの特製熟成粕で漬けた阿蘇産チーズをれいざんの冷やで……
徳丸漬物の「チーズの粕漬け」は、南阿蘇・西原村にある「阿蘇ミルク牧場」のゴーダチーズを使用。濃厚なチーズには新しい粕では軽すぎるので「れいざん」で特別に作ってもらった1年熟成物の粕を使って漬け込みます。
写真:徳丸漬物の「チーズの粕漬け」
1年熟成させた粕は茶色く色づいており、その熟成粕に2日漬け込んだだけで、酒粕の複雑な風味がチーズに移るのだそうです。うまそうだ。。。
どんな酒にあいますかね、という愚問をうっかり。
「そりゃ、「れいざん」の冷やでしょう!」
広がる酒粕の風味、濃厚なチーズのこくをれいざんの辛みがすっきり引き締めてくれるそうです。うわ~これは一度味わいたい!
そんな、さけかすさんぽも8歩め(8年目)。
なお、酒粕グルメのスタンプラリーも実施されていて、オリジナルのかわいいおちょこやオリジナル手ぬぐいももらえます。
(取材・文:おんせんニュース中の人、更新:すてぃーぶん ※情報更新2020年1月)
写真:れいざんの新酒まつり「第32回 新酒とふるさとのまつり」も2/9より高森町で開催される
写真:こちらは絶景の月廻り温泉館。さけかすさんぽのオリジナル手ぬぐいをもっていると200円引きになる