1962年創業の「有馬ビューホテルうらら」は「有馬きらり」に名称を変更、日帰り温泉として人気だった「有馬温泉 太閤の湯」を全面改装し、4月1日からリニューアルオープンしています。
火山のない有馬地区にある、世界でも唯一無二の奇跡の温泉「有馬温泉」の特質と謎!
山のない有馬地域で100℃近い温度で湧出する金泉は謎の温泉と言われてきました。その謎は近年の研究で次々と明らかになってきています。金泉にはヘリウム3という成分が含まれていることから、地下60㎞のマントル上部から湧出しているということは以前から分かっていました。
しかし、水源が不明―。
京都大学等の研究でようやく解明してきました。フィリピン海プレートがユーラシアプレートに滑り込む 600万年前の蛇紋石(じゃもんせき)の地層が600℃の熱で臨界化して、地下60㎞から有馬地域半径500mだけに湧き出ているというのです。言い換えれば、蛇紋石に閉じ込められた600万年前の古海水が60kmの地下から現代に甦っているという壮大なお話です。
写真:太古のロマンあふれる「金泉」
地下深くから湧出することにより、さまざまな成分が溶け込み、療養泉の成分の9つのうち7つが規定量以上含まれ、抗鬱剤の主成分であるリチウムは世界の温泉中でも突出しています。古海水は現在の海水濃度の約2倍。有馬温泉の金泉の塩分濃度も海水の約2倍あり、研究結果を裏付けています。
このすばらしい有馬温泉の「太閤の湯」では、今までに約450万人と多くの来館者が利用。当初は安土桃山時代をテーマにした癒しと寛ぎを創出する温泉テーマパークとして、2014 年の改装では健康増進や歴史探訪という観点から有馬地域のプレミアム外湯として進化してきました。
そして今回の全面リフレッシュオープンは、有馬温泉の泉質の素晴らしさをさらに国内外に広めるとともに、ヘルスツーリズムを振興するため、「日帰り温泉」から「日通い温泉」として利用できる新しい提案が続々登場しています!
「日帰り温泉」から「日通い温泉」へ。つまりは、今の時代に合った湯治の提案
昔の湯治は、遠くの効能の高い温泉地に出かけて、健康改善のために長期滞在するのが主流でした。
しかし、忙しい現代人のライフスタイルに即しているとは言い難い現状から、「日通いヘルスツーリズム」という考えから、都市居住者の未病対策や健康改善を目的とした都市型湯治という発想が出てきたというわけです。
六甲山の自然に恵まれた有馬温泉は、都市部からも1時間程度で足を運ぶことができ、9つの療養泉の成分のうち7つを含む極めて湯治効果の期待できる泉質に恵まれています。わざわざ遠くまで足を延ばすことや宿泊する必要もなく、日帰りで気軽に本格的な湯治気分を味わえるというわけです。
世界で唯一地下60kmから湧出する高濃度の有馬温泉を、未病対策も含めた日通いで湯治利用できるように、IoT の活用や森林浴と温泉による健康改善が楽しめるいろいろなサービスメニューも展開。その第一弾として、先着各100名の「太閤湯治倶楽部」が開始。年間フリーパス(平日限定と全日)で入り放題です。
IoT を活用した最先端、ハイクオリティーな健康改善支援!
予防医学の視点に立った新しい温泉利用の提案として、太閤湯治倶楽部の入会者(希望者のみ)にスマートウォッチ機能の付いたリストバンド型の測定器(アクティブトラッカー)を貸与。
写真:アクティブトラッカーで健康管理!
インタ―ネットを利用したアプリと接続することで、血圧や心拍、運動量、睡眠品質などを時系列に記録することができ、湯治による健康改善モニター終了後にプレゼントしてくれます。これなら、現状の健康状態を見える化して、健康改善につなげることができますね。
有馬の四季折々の風を感じさせる露天風呂にリニューアル!
自慢の露天風呂エリアは、入浴しながら季節の移り変わりが感じられる工夫が。春は桜、夏は新緑、秋は紅葉、冬は柳と、季節ごとの演出を温浴ゾーンに天然木の人工植栽をして演出しています。また、関西では初の屋外型の岩盤浴ゾーンもリフレッシュして、爽やかな外気と岩盤浴を同時に楽しむことができます。
写真:長湯できる露天風呂
写真:月替わりで楽しめる露天ハーブ風呂
また、「太閤の湯」では敷地内に、温泉セラピーに加え、手軽に森林浴ウォーキングやヨガが楽しめヘルスレーンを整備しました。鳥取県智頭町森林セラピー推進協議会と提携して、有馬温泉周辺を歩きながら森林セラピーを体験できる「森林セラピーウォーキング」を開催予定です。
森林の中での呼吸法やヨガ、アロマテラピー等を組み込んだ心のリラクセーションプログラムや、森林ウォーキングやノルディックウォーキングの運動を通じた身体のフィットネスプログラムを行います。
写真:免疫力もアップするという森林浴で、さらにリフレッシュ!
オールデイダイニング「花じゅらく」を新設。日本酒好きにはたまらないサービスが!
四季折々の有馬の自然の恵みを味わう和食レストランを全面改装し、店名も新たにオールデイダイニング「花じゅらく」に改めました。店内では日本酒愛好家に嬉しい全国から旬の吟醸酒を蔵出し価格で提供。季節の八寸とともにいただけます。
写真:日本酒好きにはたまらない品ぞろえ
入浴や森林浴を楽しんだり、食事のあとは、全面改装した新しいタイプの客室でゆったりのんびり!
ホテル「有馬きらり」の新しいコンセプトは「スタイリッシュモダン」。
伝統的な日本和室から国内外のお客様にもリラックスできるようモダンに変身しました。
月をモチーフにした「MOON」、火灯窓風の「SHOIN」、ツリーハウスの感覚を楽しめる「SKY」の3つのコンセプトにより3タイプの客室を新設。さらに豪華な「コーナービューきらりプルミエ」を3室新設したりと、ゆったりのんびり楽しめるお部屋が充実していますよ。
(まとめ・文:吉川)