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【新潟】月岡温泉 摩周の宿泊レポート後編・奇跡の緑の湯と甘いノドグロと美酒に酔いしれる【現地レポ】

新潟県新発田市にある月岡温泉は透き通った若草色のお湯が魅力的な温泉地。
その中にある旅館・月岡温泉 摩周が2014年から4年間にわたる大リニューアルがついに完成……?「楽天トラベルアワード」やじゃらんの「泊まって良かった宿大賞」に入賞するなど、宿泊者の評価も高いお宿のリニューアルの全容を、憧れの黄緑色の温泉体験も兼ねて宿泊レポの後編です

(1)からの続きです

写真:憧れの宝石のようなお湯を体験

総硫黄量を実感!1日で大人ニキビがどっかにいった

美しさだけでなく、中性に近いアルカリ硫黄泉である月岡の湯は、肌トラブルにもよいとされています。

硫黄は殺菌効果もあり、抗炎症効果、さらに角質化を防ぐ効果があるといわれており、ニキビ治療薬にも用いられているほどの成分

中性に近い弱アルカリの月岡温泉のお湯は刺激が少ないので、お肌に負担なく硫黄をとりいれることができそうですよ。さらに硫黄は粒子が細かいほど浸透しやすいとのこと、その点でも月岡温泉は期待できそうです。

私も、うなじの生え際にあった頑固な大人ニキビが、取材後にいつのまにか行方不明に!嬉しい効果でした。
(※温泉の効果は個人の体調にもよります。私には即効がありましたが、誰にでも必ず効く保証をするものではないことをご理解ください)

写真:

摩周では、この翠色の湯は、窓がある半露天スペースと露天風呂で楽しめます。透き通った緑色のお湯に体を沈める嬉しさ。ほんのり硫黄の湯の香……癒されます。

気持ちいい~……。見ると湯の中で体が黄緑色に染まっています。ほぼ中性というアルカリ湯は柔らかで、なめらかです。

庭を眺めながら、静かに湯を堪能します。同時刻に温泉にいた、女子会かと思われるお客さんもあまりしゃべらず、うっとり温泉を楽しんでいるようです。

写真:半露天スペース。白いタイルがお湯で黄緑色に染まって見える

季節はまだ早春、露天なのでいくらでも長湯できる気がします。ナトリウムが入っているからか、湯冷めもしにくいようです。夜もお部屋の暖房を切ってましたが朝まで寒さを感じませんでした。

なお月岡温泉 摩周では、内湯はさら湯になっています。温泉ではありません。理由は、お湯から揮発する硫化水素ガスが溜まらないように配慮しているからなのだそうです。硫化水素ガスは薄いと薬になりますが濃いと危険な場合もあるのです。

また、硫化水素ガスは、シャワーの蛇口など金属部分を真っ黒に変色させます。そうなるとカビみたいに見えて清潔感を損なってしまうから、という理由もあるそうです。(うっかりアクセサリーをつけたまま入浴すると変色してしまうので要注意です!ピアスなどもはずしたほうがいいでしょう)

静かに過ごしたい vs 仲間と賑やかに盛り上がりたい を住み分ける2つのダイニング

繰り返し長湯をしたおかげで、お腹がすいたところで夕食です。

摩周には2か所の食事処があります。「月terraceえん」と「雪terraceあかり」どちらもリニューアルされたお洒落なダイニングです。

今回私がおもてなしを受けたのは「月terraceえん」。フローリングにナチュラルな木のテーブルセット、それに障子など和の仕切りに行燈風のライティングなどが調和した寛ぎの食事スペースです。

写真:ライブキッチンがついている月terraceえん。仕切られた席も個室もあり

オープンキッチンに面した開放的なテーブル席と仕切られた席、個室などが席のタイプもいろいろ。

もう1か所は昨年(2018)にできたばかりの「雪terraceあかり」。こちらは全部がかなり広い個室になっていて、小グループ向け

写真:小グループ向けの個室ダイニング「雪terraceあかり」

わざわざ2つのダイニングを作ったところに摩周の気配りがありました。

「静かに寛ぎながらお料理を味わいたい個人のお客様から見ると、同じ場所ににぎやかに盛り上がっているグループがいると落ち着けないのではと考えました」と支配人の庭山さん。

そうそう!わかります!グループばっかりの中に一人ぽつんといると仲間外れにされてる感じがして居心地悪いんですよね。カップルでも、グループの嬌声に会話が邪魔されたりとかね。……よくわかっていらっしゃる!

かといって数人以上のグループは、盛り上がるために温泉に来てるようなもの。寛いでお料理を味わいたいお客様と、盛り上がりたいお客様を2つのダイニングですみわけたのが摩周ならではの気配り。ありがたいですね。

写真:

ノドグロに南蛮海老が甘くとろける!利き酒セットが嬉しい

さて一人旅の私は、個室で気兼ねなくお料理を堪能します。米どころ・酒どころの新潟、食事も旅の楽しみのひとつですが、その点でもいい感じ。

写真:月岡温泉 摩周の前菜。新発田の郷土料理「から寿司」やよもぎ麩、季節の美味が美しくしつらえられている

食前酒のやまもも酒にはじまり、新発田や新潟の産品が組み込まれたお料理。器のしつらえもセンスの良さを感じます。

どれも美味しかったのですが、保温ができる変わった陶器(ほしい)で供された「のどぐろ・笹川流れ天然塩焼き」はパリッと焼かれて箸をいれるととろける身の柔らかさ。舌の上で広がる甘味と超絶品でした。

写真:中が空洞になった台皿で出てくるのどぐろ・笹川流れ天然塩焼きは絶品

南蛮海老の麹漬けやお造りのボタン海老も日本酒にあう!

そうそう、新潟といえば日本酒。摩周でも地元・新発田市や隣の五泉市、佐渡よりえりすぐったお酒をラインアップ。おちょこ一杯ずつの飲み比べセットもお手頃価格で試せるのでおすすめです。

写真:地酒をおちょこ一杯ずつ試せる

お酒だけで飲み比べたり、料理とあわせて飲み比べたり、お酒がとっても進みます。ボトルで頼んだものは、飲み残しを持ち帰れるので自分へのお土産にしちゃいましょう。

写真:にいがた和牛のせいろ蒸し。これも柔らかくてジューシーで美味しかった

米どころだけあり、〆のお米も美味しい!なおご飯は好きなタイミングで持ってこれるとのこと、お酒を飲まない人は最初から持ってきてもらっても、ご飯が進むと思います。

写真:この日出たその他の夕食のメニュー。お造りに日本酒があう

別れがたいジュエリーのお湯。ギリギリまで朝湯を楽しむ

なお、朝ごはんは時間を決めないハーフバイキング。好きな時間に開始できます

朝の時間を決められないって嬉しい!寝坊しても朝湯で長湯しても「うわ、もう〇時!」とあわてないで済むというだけで、気持ちがゆったりできますよね。

バイキング、といいつつ、朝食はほぼそろった完成状態でサービスしてくれます。セルフサービスに並んでいるのは生野菜のサラダや煮物、ドリンク類。

写真:月岡温泉 摩周の朝食。写真では、バイキングからのものはサラダとジュース

生のカットフルーツに濃厚なヤスダヨーグルト、はちみつ…は嬉しい朝食のデザート。これはぜひバイキングでとりたいところです。食後のコーヒーはラウンジでもいただけます。

でも、やはり月岡温泉 摩周の朝は、朝湯でのんびりするのが一番!

(男女入れ替わった)日高石庭の湯では、鯉が泳ぐ池をたたえた日本庭園を眺めながら、のんびり。入る宝石のようなお湯は、昨日の黄緑から少し色が濃くなって、エメラルドに近い色合いになっていました。硫黄の香りは、コーヒーの香りより目覚まし効果がある……というのは温泉好きならではですね。

写真:女性は朝の日本庭園を眺めながら…日高石庭の湯(男性は午後から夜、ライトアップで)

起き抜けの体に血が通い、元気が満ちていくのがわかります。よく見ると朝の光の中で、湯の表面でわずかに残った原油が虹色にキラキラ反射していました。

気象条件でグラデーションを変える翠(みどり)の湯。地球の大自然が生み出した、まさに入浴できる宝石の湯にいつまでも入っていたい。別れがたいお湯に久しぶりに出会いました。(取材・文:おんせんニュース中の人)

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月岡温泉 摩周

https://www.masyuu.co.jp/

新潟県新発田市月岡温泉
TEL 0254-32-2131

●立ち寄り湯

●宿泊について
1泊2食付 2名1室あたりの1名料金
月岡美人会席プラン ¥16,350~
その他のプラン料金はこちらで

・宿泊者の温泉利用時間
チェックイン~24:00、5:00~9:30
貸切湯 45分 2200円

標準チェックイン/アウト
15:00/10:00



 
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