梅雨も明けて暑くなりましたね~。涼しい地域にお住まいの方が心から羨ましい限りです。
そろそろ汗疹(あせも)に苦しむ方も多いのではないでしょうか。ヒリヒリ痒くて、ガサガサじゅくじゅく……一度なるとなかなか治らないのがにっくき汗疹ですよね。
ところで、温泉にいくと汗疹がよくなるという話は昔からよく聞きます。
出身地の尾張(愛知)に比べると、夏がことさら暑くて湿度の高い熊本に赴任した加藤清正は、汗疹に悩まされ、それを治すために近くの平山温泉に通ったと伝わっています。平山温泉に含まれる硫黄は、皮膚の炎症反応を抑える効果があり、昔の人はそれを経験的に知っていたのですね。
そういわれてみればニキビ薬にも硫黄が含まれています。
今回は「硫黄」に注目して汗疹にいいと思われる温泉のおすすめを、「おんせんニュース」のライターで、全国各地の温泉をまわっているhotspring727さんにピックアップしてもらいました。
※「あせもによい」というのは歴史・あるいは入浴者たちの経験に基づくものであり、ここに紹介されるすべての施設が自らアピールしているものではありません。また、効果が見られない場合に、施設・編集部ともに責任を負うものではありません。
日本有数の強酸性の硫黄泉(硫化水素型)として知られている蔵王温泉。山形では夏に子供に汗疹ができると蔵王温泉に入りにくるそうで、軽いものなら一度入っただけでも赤みがひいて治ってしまうといわれています。
ph値が2.0以下の強酸性の温泉は、表皮の殺菌作用が強く肌の脂分を洗い流してくれるので、湯上がりの肌はさっぱりとして石けんいらずの湯とも言われています。酸性が強いので肌をゴシゴシこすらないで入浴しましょう。
蔵王を代表する日帰り湯「蔵王温泉大露天風呂」は、渓流露天に漂う硫黄の香り、高原ならではのひんやりとした空気を感じてリラックスできます。
写真:蔵王大露天風呂
おんせんニュース・特集記事
【冬季休業OPEN】蔵王で最も標高が高い大露天風呂。日本有数の強酸性硫黄泉で美肌づくり●蔵王温泉 大露天風呂【山形】
ph値が1.7の「湯の花茶屋 新左衛門の湯」は、源泉100%の最上高湯と、淡水をブレンドした四・六の湯があるので肌の弱い方やお子様向けです。
写真:湯の花茶屋 新左衛門の湯 http://zaospa.co.jp/
日帰り湯「すのこの湯 かわらや」、旅館では「おおみや旅館」もph値が1.7と高くおすすめ。今回ご紹介したお湯はもちろん源泉掛け流しなので、汗疹に効くだけでなく肌の若返り(酸化還元効果)も期待できますよ。(なお「おおみや旅館」は小学生未満は受け入れ不可です)
写真:おおみや旅館 http://www.oomiyaryokan.jp/
歴史ある那須温泉郷の中でも、開湯1370年以上の歴史と栃木県内第1位の湧出量を誇る温泉が那須湯本温泉です。明治時代に建てられた鄙びた木造建築が昔にタイムトリップしたかのようでな気分にさせてくれます。
ph値3.0未満の強酸性の硫黄泉(硫化水素型)は、殺菌性が強いのでじゅくじゅくした汗疹が気になる脂性の方におすすめ。
41、42、43、44、46、48度と6種類(女湯は48度が無く5種類)の温度の浴槽がある「鹿の湯」は、少し青みがかった乳白色の湯で、白濁した硫黄が析出していることがわかります。
写真:鹿の湯 http://www.shikanoyu.jp/
腰まで1分、胸まで1分、首まで1分浸かる短熱浴を繰り返すと、温泉成分が皮膚表面からじんわりと浸透してくるのを感じます。
46度の湯船に入る強者もいらっしゃいましたが、わたしには41度が適温でした。無理せず好きな温度の浴槽で入浴を楽しんでくださいね。
http://www.nasuonsen.com
栃木県那須郡那須町湯本
代表的な泉質:含硫黄ーカルシウムー硫酸塩・塩化物温泉
問合せ:那須温泉旅館協同組合
TEL:0287-76-2755
翡翠色の湯が美しい硫黄泉は、1kg中に73.5mgの硫黄が含まれている硫酸塩泉。硫黄の含有量で日本トップ10に入る志賀高原最古の温泉です。
日本三大美人の泉質「炭酸水素塩泉」「硫酸塩泉」「硫黄泉」の全ての泉質が含まれており、さらには50mg以上で保湿効果があると言われるメタケイ酸の含有量が99.1mg、ph値が7.5と弱アルカリ性で肌を自然に優しくクレンジングしてくれるので、成分が肌に浸透しやすくつるつるすべすべの肌が手に入ります。
写真:熊の湯ホテル http://www.kumanoyu.co.jp/hotel/
鮮やかな黄緑色の湯を満喫できる「熊の湯ホテル」は、宿泊で何度か入浴するのもいいですが、日帰り温泉のスタート時間に入浴すると、まだにごりの少ないフレッシュな掛け流しの湯を堪能できます。こちらの湯には何度か浸かったことがありますが、私の場合は入れたての一番風呂に入ったときが最も汗疹に効果がありました。
http://www.kumanoyu.co.jp/hotel/
長野県下高井郡山ノ内町平穏7148
代表的な泉質:含硫黄ーカルシウム・ナトリウムー炭酸水素塩・硫酸塩温泉
問合せ:熊の湯ホテル
TEL:0269-34-2311
温泉街に近づくと硫黄の香りが漂ってくる月岡温泉。硫黄の含有量は、万座温泉に続き全国第2位を誇っています。エメラルドグリーンの硫黄泉(硫黄型)は、汗疹を癒してくれるだけでなく、美肌の湯としても知られています。
泉質は、弱アルカリ性の塩化物泉。弱アルカリ性の湯は余分な角質を洗い流してくれるので、硫黄の殺菌作用が浸透しやすくさっぱりとした肌に。また、塩化物成分が肌をコートしてくれるので、乾燥を防いでしっとりとした洗い上がりになります。
「白玉の湯 華鳳」は、広々とした回遊式の露天風呂には豊富な湯量が注がれ、寝湯、腰掛け湯、岩風呂、檜風呂など様々なスタイルで楽しめます。やわらかな硫黄の香りにほっと心癒されます。
写真:白玉の湯 華鳳 https://www.kahou.com/
楽天トラベルの2016年年間人気温泉宿ランキングで3位になった「月岡温泉 摩周」は、露天風呂は加水なしの源泉100%。硫黄泉はメラニンの代謝を促すので漂白効果もあると言われており、さっぱりしっとりだけでなく、美白効果も期待できますね。
月岡温泉 摩周のリニューアルについておんせんニュースのレポ記事もどうぞ。
【新潟】透き通った緑色は入浴できる宝石!…月岡温泉 摩周で4年にわたるリニューアルが完成
写真:月岡温泉 摩周 https://www.masyuu.co.jp/
http://www.tsukiokaonsen.gr.jp
新潟県新発田市月岡温泉
代表的な泉質:含硫黄ーナトリウムー硫酸塩・塩化物温泉
問合せ:月岡温泉観光協会
TEL:0254-32-3151
5つの秘湯が山里に集う奥飛騨温泉郷は、別府や草津、湯布院に次いで全国第5位の湧出量を誇る温泉天国。中でも新穂高温泉の湧出量は毎分1万リットル以上で、豊富な湯量を活かしてドバドバと源泉を掛け流しているお風呂が多いのが魅力です。
泉質の違う源泉を何本も所有している宿もあるほど源泉数も多く、硫黄泉でさっぱりしたら食塩泉でしっとりなんていうハシゴ湯も可能。
「中崎山荘 奥飛騨の湯」は、ツムラの入浴剤「日本の名湯・奥飛騨の湯」のモデルになった温泉。以前は、アルカリ性単純泉の内湯と、硫黄泉の露天風呂と2つの泉質がありましたが、単純泉のほうは出なくなり、今は硫黄泉のみになったそうです。
「ホテル穂高」も硫黄泉と単純泉の2つの源泉を持っている宿。どちらの源泉も湧出量が豊富なので、掛け流しの新湯溢れる温泉を満喫できます。肌に効く硫黄泉と疲れがとれストレスに効く単純泉、両方に入浴したいですね。
写真:ホテル穂高 http://www.hotel-hotaka.jp/
http://www.okuhida.or.jp
岐阜県高山市奥飛騨温泉郷
代表的な泉質:炭酸水素塩泉、塩化物泉、硫黄泉
問合せ:奥飛騨温泉郷観光協会
TEL:0578-89-3200
加藤清正公が汗疹の治療に通ったと言われている九州山鹿の奥座敷、平山温泉。ph値が9.0以上と強めのアルカリ性が特徴の硫化水素型の硫黄泉で、クレンジング効果が高く、とろりとしたほどよいぬめり感はまるで美容液のような肌ざわりです。肌表面のタンパク質が洗い流され、硫黄成分の浸透が期待できますね。
「湯の蔵」は泉温が42.1度。加水なしの掛け流しで、源泉を心ゆくまで楽しむことができます。なんと大浴場のシャワーにも温泉が使用されているという贅沢さ。
家族湯が多いのも平山温泉の特徴のひとつ。貸切で人目を気にせず、ゆっくり入浴できるのがうれしいポイントです。
「家族温泉 湯の川」は、全室に内湯と特徴ある露天風呂が完備されています。
写真:家族温泉 湯の川 https://www.yunokawa-hirayama.jp/
「旅館 家族湯いまむら」は、温泉旅館の家族湯。すべての家族湯の湯舟に源泉が豊富にかけ流しになっています。
写真:旅館 家族湯いまむら http://imamura-spa.com/
http://www.hirayama-onsen.jp
熊本県山鹿市平山
代表的な泉質:アルカリ性単純硫黄泉
問合せ:平山温泉観光協会
TEL:0968-44-0522
大小9つの温泉からなる霧島温泉郷。肌に良いとされる硫黄泉と炭酸水素塩泉が中心で、リクルートの旅行ディビジョンがまとめた人気温泉地ランキング2012では、満足度ランキングで1位を獲得しています。中には温泉好きの西郷隆盛のすすめでこの地を訪れた坂本龍馬が入浴したと伝わる湯もあります。
湯之谷温泉「湯之谷山荘」には、国内でも珍しい炭酸硫黄泉があり、46度の硫黄泉、30度の炭酸硫黄泉の2つの源泉を楽しむことができます。どちらも加温・加水なしの源泉掛け流しで、炭酸泉と硫黄泉がブレンドされた浴槽もあります。
写真:湯之谷山荘 https://www.mountaintrad.co.jp/~yunotani/
新湯温泉「新燃荘」は、浸かると身体が全く見えなくなってしまうほど白濁した硫化水素型の硫黄泉。温泉水1kgの中に総硫黄が2mg以上含まれていると硫黄泉と呼ばれるのですが、こちらの総硫黄はなんど21.8mgと基準値の10倍以上の濃さがあります。高温のため加水されているのにこの白さは感動もの、掛け流しの湯が肌に染み渡ります。
神宮温泉「さくらさくら温泉」は、弱酸性の硫黄泉で、天然の泥湯温泉が特徴。源泉から湧き出す掛け流しの泥湯でパックを楽しめます。
写真:さくらさくら温泉 https://www.sakura-sakura.jp/
http://kirishimakankou.com
鹿児島県霧島市牧園町高千穂
代表的な泉質:弱酸性単純硫黄泉
問合せ:霧島市観光協会
TEL:0995-78-2115
温泉ピックアップ・文:hotspring727
「名湯・秘湯から高級リゾートまで、日本全国の温泉に250湯以上入湯している温泉好き主婦ライター。女性も子供も安心して宿泊できる「泉質・宿の快適さ・地元グルメ」の3拍子揃ったバランスのとれた温泉宿を求め、北海道から九州までを旅しています」