2020年の九州豪雨で甚大な被害を受けた、熊本県人吉市の老舗温泉旅館「人吉旅館」が全施設の復旧を終え、2022年5月1日から営業を再開しました。復活を遂げた、1934年創業時の姿を残した歴史ある国登録有形文化財の宿をご紹介します。
写真:歴史を感じさせる旅館の外観
復活を遂げた「人吉旅館」
復活を遂げた「人吉旅館」は、1934(昭和9)年創業の純和風旅館。昔の佇まいをそのまま残しており、2012年には国登録有形文化財となりました。
しかし、2020年7月の集中豪雨の際には球磨川が氾濫し、旅館は1階の天井まで浸水する甚大な被害に遭いました。全国からたくさんの人たちの応援をもらい、全施設の復興を終え、2022年5月1日から営業を再開しています。
写真:復興を遂げて再開した「人吉旅館」
美人の湯としても名高い温泉
人吉温泉の自慢のひとつが、源泉掛け流しの天然温泉です。
写真:とろみのある豊かなお湯
泉質は、とろみ感のあるナトリウム-炭酸水素塩・塩化物泉。
写真:大自然と一体になれる岩風呂
浴室は、浴槽の深さが80cmあり、木のベンチに座ってゆったりと湯浴みができるタイプと、野趣あふれる広々とした岩風呂風との2つのタイプの温泉が楽しめます(時間によって男湯・女湯を入れ替えます)。
写真:ベンチに座ってゆっくりと浸かれます
ほかにも、2カ所ある貸切家族風呂があり、宿泊客は空いていれば24時間いつでも自由に入れます。
写真:岩風呂(女湯)
温泉を心行くまで楽しんだ後は、温泉の隣に設けた涼やかなくつろぎの涼み処でまどろむのもいいですね。昭和初期のレトロな雰囲気で、心落ち着く空間です。
写真:涼み処
地元の食材を使った郷土料理を堪能!
人吉旅館では、地元の自然の恵みの美味しさを追求し、日本古来の伝統の技と知恵で手間暇かけた郷土料理を提供しています。
写真:名産の球磨川鮎や豊かな自然が育んだ野菜をはじめ、熊本産の「黒豚と珍しい黄金のきのこ“タモギ茸”の鍋」などを堪能できる会席料理(一例)
20年以上にわたってホテルや日本料理店などで和食料理人として経験を積んだ本藤丈雄氏がプロデュースする本格会席料理が堪能できますよ。
写真:竹篭の中に、色とりどりの旬の食材が詰まった目にも舌にも楽しい朝食。ほかにも女将手作りのキムチや地鶏の卵などのミニバイキングもあります(一例)
和の伝統を感じる客室
「人吉旅館」は日本の伝統と『侘・寂(わび・さび)』の精神を今に伝える旅館。他では味わえない和の伝統を感じさせる客室が揃っています。
写真:趣きのある和室
のびやかな空間を生み出す高い天井、柱上部を隠す細やかな細工など、先人の知恵と工夫が込められています。書院窓や違い棚など、和風建築の極みといわれる数寄屋造りの特徴を愉しむことができます。
写真:和モダンな寝室
人吉温泉
温泉の開湯時期は不明ですが、近隣には806(大同元)年に創建され、熊本県に現存する文化財として唯一の国宝に指定されている「青井阿蘇神社」があります。
ほかにも、『日本遺産』に登録されている名所や史跡が数多くあります。
写真:国宝の「青井阿蘇神社」
最初に開かれた温泉は球磨川と万江川の合流地点付近で、1910年には現在の人吉駅近くに温泉が開かれました。
球磨川上流部に温泉街が広がっており、源泉は約50カ所あり、旅館や共同浴場も点在します。
写真:滑らかな温泉
皮膚の角質を柔らかくすることで古い角質を落とし、肌に潤いを与える『美人の湯』として人気が高く、飲用することで胃の働きを整える効果もあるといわれています。
「国登録有形文化財」の宿の、和の美意識を感じさせる空間でくつろぎのひとときを過ごしませんか?
写真:細部も美しい造り
(まとめ・文:吉川、編集:hotspring727)
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人吉旅館
https://www.hitoyoshiryokan.com/
所在地
熊本県人吉市上青井町160
TEL:0966-22-3141
●立ち寄り湯について
日帰り入浴(露天風呂以外)
利用時間:8:00~20:00(フロントで受付)
利用料金:大人 600円 子供:300円(宿泊客が優先。清掃時間や、受付時間内でもお断りする場合があります)
●宿泊について
宿泊料金例)1泊2食付き(2名1室の1名あたり)
16,500円~(税込・入湯税別)
宿泊者の温泉入浴時間
24時間(清掃時間あり)
標準チェックイン/アウト
15:00/10:00