北海道を代表する観光地のひとつ、函館。温暖な気候、レトロで異国情緒漂う景色や豊富な山海の幸を目当てに、いつもたくさんの観光客が訪れています。そんな函館市内の住宅街の一角にある、地元民に愛されている谷地頭温泉で、地元民に混じってのんびりするのもツウな函館の楽しみ方になりそうですよ。
写真:観光客が絶えない金森倉庫群
写真:海の幸満載の海鮮丼!
時は江戸時代。アメリカのペリーが開国を迫り、1859年、箱館(今は函館)は横浜や長崎とともに国際貿易港として開港したという歴史はご存知かと。函館港は、函館山麓から西方へ湾曲した海岸線に位置し、ペリーが船上から見た絶景に驚嘆したという話が残っているほど、天然の良港だったようです。
写真:手前にカトリック元町教会が見える今の港の一部
そうして早くから異国文化が入り、今日の美しい街並みが作られていきました。いつしか港内を行き交う船舶は時代の流れとともに、イカ釣り漁船やフェリー、貨物船などへと変わりましたが、時折聞こえる汽笛の音は、港町ならではの風情を醸し出しています。
写真:函館山から見る夜景は函館観光には必須
可愛い市電に乗って地元民が愛する温泉へGO!
レトロな街歩きを楽しみ、函館グルメに舌鼓した後は、ゆっくりのんびりと天然温泉でクールダウン。
函館を代表する温泉のひとつである谷地頭温泉(やちがしらおんせん)は、函館山の麓にあり、立待岬などの観光名所に程近いところにあります。市電では「谷地頭電停」下車です。
1953年に開業した函館市営谷地頭温泉が前身で、2013年に民営化され、リニューアルオープンしました。
写真:バリアフリーで広々とした建物
天然温泉なのに大人430円という幸せタイムを満喫!
温泉の建物を背にして、左側には函館八幡宮が、右側には立待岬や石川啄木一族のお墓があり、真正面には函館公園があります。館内はバリアフリーとなっていて、緩やかなスロープやエレベーターなどが設けられています。
内湯は天井がとても高く、昼間は外からの日差しも入って明るく開放的です。温泉は源泉掛け流しで、鉄分を含んでいるので茶褐色。浴槽は高温(43.5℃)、中温(42.0℃)、気泡風呂(40℃)と分かれているので、お湯の好みや気分、体調に合わせて入浴できます。
写真:広々とした浴槽には茶褐色の湯があふれています
そして、なんと朝6時から営業しているので、朝から温泉でまったりもいいですね。入口近くにはスーツケースが入る大型ロッカーも設けられているので、旅の途中に立ち寄るのにも便利です。
露天風呂は函館の温泉らしく、観光名所である史跡五稜郭跡をかたどった星形浴槽で、可愛い! また、浴場内にはサウナや水風呂も併設しています。
写真:星形になっている露天風呂も茶褐色のお湯。体が温まります
写真:ちなみに、この写真は桜のシーズンの本物の五稜郭公園です
1階には休憩所があり、入浴後にのんびりとくつろげるようになっています。食堂では天丼やラーメンなどの300~600円とリーズナブルな軽食や山川牧場のソフトクリームなどを提供(毎週火曜日休み)。
函館観光には市電が便利! 1日乗車券をゲットせよ!
函館観光に便利なのが、函館市電が乗り放題「市電専用1日乗車券」。料金は大人600円、子供300円とリーズナブル。通常の市電運賃は210~250円なので、3回以上乗る場合はお得になります。
小銭を用意する必要もないので、降りる時にもスムーズ。車内で購入可。日付がスクラッチ式となっていて、コインなどで乗車年月日を削って、降りるときに運転手に提示します。
写真:市電を使ってエコな観光も楽しいですね
路線図や観光エリアマップ付きで、沿線には1日乗車券の提示で割引などがある見学施設やレストラン、土産物店などもあります。
*販売場所 車内、観光案内所、ホテルのフロント、コンビニエンスストアなど。
*問い合わせ 函館市企業局交通部 TEL.0138-52-1273
銭湯感覚で気軽に立ち寄れる谷地頭温泉へのアクセスにもよさそうです。
(まとめ・文:吉川)