【鹿児島】驚き！鹿児島市電はおひとり様でも貸切ＯＫだった！せごどん！の舞台を走る鹿児島市電は「肝がふて～※太いな～」

NHK大河ドラマ「西郷どん！」で盛り上がる鹿児島市。鹿児島市民の足としてはもちろん、観光客にも重宝されている鹿児島市電ですが、実は貸し切りできるって知ってました？しかも鹿児島市電ならではのユニーク車両だって貸し切れるし、例えおひとり様でも貸し切りも可能というから驚きです。

この「貸し切り電車」の楽しみ方について、鹿児島市交通局電車事業課運輸係の堀田嘉昭さんに話を聞いてみました。

そもそも市電って時刻表通りに運行しているのに貸し切れるんですか？

「できるんですよー。定時運行とは別に走らせます。ただ朝のラッシュ時はだめですけどね。あと、予約できる列車は限りがあるからできるだけ早く予約するのがコツ。予定が決まったらすぐに日時、コース、利用人数なんかを電話で伝えてください」。

でも料金がかなり高そうですよね……
「イエイエ。コースは相談にのりますけど、＜カジュアルプラン＞だと例えば鹿児島駅前～交通局前～郡元～谷山の約50分間乗車で13,400円。これに鹿児島駅前まで戻る復路もつけた＜エンジョイプラン＞だと約120分で26,800円ですね」

各車両の定員（カフェトラムなら24名）まで乗車可能なので、24人と仮定すると、カジュアルプランなら一人当たり600円しません。もし4人グループで貸し切ったとしたら一人3350円！なんと意外にリーズナブル！　

まだ例はないけれど1人で貸し切ることも可能だそう。（やってみたい…）

市電の貸し切りって、どんな人がどんな風に使っているの？

交通局のHPによれば、過去、「市電で結婚式」「演劇パフォーマンスの舞台として」「メイド電車」といった利用法があったそうですが、多いのは「年末年始の宴会とか年度替わりの歓送迎会とかパーティですね。あとスナックやバーのイベントとして電車を貸し切って営業されることも。飲食物を持ち込めるので好きなだけ飲めますからね」とのこと。飲める＝もちろん焼酎ですよ！鹿児島ですからね！

車内は禁煙ですが、100Vの電源が使える（カフェトラムのみ）し、ゴミは分別しておけば下車後に処分してもらえるというから至れり尽くせり。

ゴミまで処分してもらえるんですか！
「空の酒瓶とか持って行くのは困るでしょうから」
…って、持っていく？
「職場の宴会なんか会社の最寄り電停からみんなで乗車して、車内で宴会。繁華街で下車して二次会の店に行くわけですよ。だからね」。
なるほど……。

宴会以外の利用法では、「お誕生日とか結婚記念日に貸し切って相手を驚かせた人もいらっしゃいましたね」。車外は不可ですが車内なら自分たちで飾り付けることもOKなのだそうです。

「市電乗ろうか」って誘われて乗ったら貸し切りサプライズなんて、感激間違いなしですよ～。ルートの相談にも乗ってもらえるので、決めた時間に思い出の場所を通るなんてことも可能です。

貸し切り市電のルートは相談OK！観光おすすめのルートは？

県外から旅行で訪れたグループが観光の一環として貸し切りすることもあるという鹿児島市電。車窓からのんびり鹿児島の街を楽しむというのは楽しそうです。

そんな時におすすめのルートを聞いてみました。

「高見橋電停を通るルートだと大久保利通像が目の前だし、鹿児島駅前電停と武之橋電停からは桜島が眺められます。春だと甲突川（こうつきがわ）の桜並木もきれいですよ。あと、観光の方なら天文館で降りて買い物とかもいいかもしれません」

また、あらかじめ申し込んでおけばボランティアガイドさんに同乗してもらって車窓風景をガイドしてもらうこともできるそう。（貸し切り料金＋1000円）

宴会需要（？）のせいか夜の利用が多いという「貸し切り電車」ですが、昼もおすすめ。鹿児島市電は軌道を芝生で緑化しているので、冬以外は緑が美しい芝生の中を電車が走る素敵な風景も楽しめますよ。

ちなみに、鹿児島駅前電停あるいは駅舎の前に「日本最南端の電停」の標柱が建つ谷山電停で折り返すルートなら各駅で10分程度のトイレ休憩が可能です。

ユニークな電車がたくさんあるのも鹿児島市電の魅力

一部を除いてほとんどの車両が貸し切り可能というのも鹿児島市電のすごいところ。
例えば、2017年に登場した貸し切り専用電車の「カフェトラム」。キュートな内装の車内にはカウンターテーブル＆チェアが設置されていて、まさに動くカフェ。これなら好みのドリンクを持ち込んで貸し切りカフェ＆観光ができちゃいます。

ほかにも、鹿児島市電車運行100周年を記念して製作された、大正時代から昭和30年代まで運行していた木製電車をイメージしたレトロ調の「かごでん」、鹿児島国際大学の学生たちの発案によるラッピング電車「白くま黒豚電車『でんでん』」なんていう電車も。

「でも「普通の電車がいい」っていう人も案外多いんですよ。普通の電車の方がかえって貸し切り感があるからかな」とのことですが、どの電車をどんな風に貸し切ろうかなんて考えるだけでもワクワクしますよね！

そうそう、「自分でプランを考えるのは面倒、でも市電で飲みたいなら民間のイベント会社が行っている『さつま焼酎電車』というのもありますよ。毎日違う鹿児島の蔵元さんの焼酎が登場して飲み放題です」（3月1日から「春薩摩焼酎電車」開催予定。詳細はFacebookで告知）という情報も教えてもらいました。

■さつま焼酎電車
https://www.facebook.com/SATSUMA.SHOCHU/

……というわけで、みなさん「西郷どん！」で盛り上がる鹿児島を訪ねるならぜひ市電を貸し切りで飲みに、いや乗りに行ってみましょう！
（取材・文：まつもとようこ）