愛媛・道後温泉にある旅館「道後の宿 花ゆづき」のエグゼクティブフロアがリニューアルしました。コンセプトは「華美な和の空間で過ごす湯宿ステイ」。愛媛県が誇る伝統工芸「大洲和紙」とフランスの金箔技術である「ギルディング」を融合した、新しい和紙「五十崎ギルディング和紙」を使用した、新しいけどどこか懐かしさを感じる、特別な空間になっていますよ。
写真:和の温かさとシンプルさが心地よい、リニューアルされたお部屋
「和紙」×「ギルディング」の新しい工芸品「ギルディング和紙」って何?
写真:大洲和紙とフランスのギルディング技術が融合した新しい伝統工芸品「ギルディング和紙」
「ギルディング和紙」というものを見たり、聞いたりした事がありますか?「ん?キルティング?」と思ったのですが、違ったようです。
この聞き慣れない「ギルディング」というものは、ヨーロッパに伝わる金箔技法。金属の酸化と腐食の云々という難しい行程は割愛しますが、紙や木材、布などに金属でデザインを施す手法です。古くは額縁の装飾技術として発達した歴史がある技術なんですよ。アンティーク調の重厚感のある色合いが特徴です。
一方、道後温泉がある愛媛県の南部に位置する内子町は、古くから和紙づくりが盛んな地域です。この地域で作られる和紙は「大洲和紙」と呼ばれ、正倉院文書にも登場するほどの長い歴史を持つ、愛媛県を代表する伝統工芸品です。
ちなみに、内子町で生産されているのに隣町の「大洲」の名前が付いているのは、かつて和紙づくりが大洲藩の主要産業のひとつであったためと言われています。
毎年5月には愛媛県の無形民俗文化財にも指定されている「いかざき大凧合戦」が開催され、畳100畳分にもなる巨大な凧が空高く上げられます。もちろん、この大凧に使用されているのも大洲和紙です。
「ギルティング和紙」とは、フランスの金箔技術と日本の和紙という、2つの国の伝統的な技術が組み合わさって完成した、新しい工芸品なんですよ!
エグゼクティブフロアにふさわしい和モダンな空間で、特別なひと時を過ごせそう
写真:お部屋のいたるところにデザイン性の高いギルディング和紙をふんだん使用。美しい空間が広がる。
今回「道後の湯 花ゆづき」で、このギルティング和紙を使用してリニューアルしたフロアは「エグゼクティブフロア」と呼ばれる9、10階のお部屋で、4タイプ・全10室です。
このフロアのコンセプトは「華美な和の空間で過ごす湯宿ステイ」。「華美」と言ってもギラギラとしたド派手なものではなく、シンプルな空間の中に「ギルディング和紙」のデザイン性の高い装飾がキラリと光る、美しい空間となっています。
写真:9階山側のお部屋には、温泉を引いたほっこりと温まる足湯が。
9階にある部屋のうち山側のお部屋は、次の間とベランダに足湯が設置された客室です。
自分の部屋に足湯があるなんて贅沢ですね。しかも足湯は温泉というから嬉しい限り!夕涼みをしながら足湯をしたり、寒くなってきたら、足湯で足元から温まりながら熱燗を嗜むなんて最高じゃないですか?
街側に面した部屋には足湯はありませんが、お部屋から道後温泉を見下ろすことができますよ。足湯と景観…どちからかなんて、選べない!
写真:「花スイート」の広々とした露天岩風呂。源泉掛け流しで、温泉を独り占め!
10階のお部屋は3室しかなく、和洋室が2部屋と「花スイート」と名付けられたスイート和洋室が1部屋です。なんとこちらのお部屋のお風呂は源泉を使用した温泉なんです!和洋室はベランダにあるお風呂、スイートルームは岩風呂の露天風呂と檜造りの内風呂両方とも温泉なんですよ!まさに特別室という名にふさわしい豪華さですね!
写真:10階和洋室のベランダにある清潔感あふれるお風呂。こちらももちろん、源泉掛け流しの温泉!
美しいギルディング和紙を使用したインテリアと温泉のお風呂…もう、一度足を踏み入れたら食事以外では外に出たくなくなっちゃいますね。ひとときも出たくなくなるような、新しくもどこか懐かしい居心地の良い豪華さが魅力です。
9階のフロアとロビーには、大きなギルディング和紙が展示されています。また、グッズの販売もしているので、エグゼクティブフロアに宿泊しなくても、ギルディング和紙の世界を楽しむことができますよ。
ギルディング和紙を生産している内子町は古い町並みが残っている地域があったり、大洲和紙の工場では紙漉き体験などもできるので、道後温泉と一緒に内子町まで足を伸ばしてみるのもオススメです。
愛媛県が誇る、新しい工芸品「ギルディング和紙」を使用した空間は特別感がありますよ。
エグゼクティブフロアを内緒で予約してくれていたら、誰でも喜んでくれること間違いなしですよ!
記念日などの特別な日に、水入らずでゆっくりと過ごしたい時にぜひ泊まってみたいですね。
あぁ、誰か連れて行ってくれないかな〜。
(まとめ・文:ゆきさね)