青森県下北半島、本州最北限のいで湯の地と言われる、下風呂温泉。小説の舞台にもなっている津軽海峡に面した風情ある温泉地です。
なんと冬の極寒期に、この土地ならではの体験ツアーが開催されているのをご存知ですか?
風間浦村の冬の風物詩、「布海苔採り体験ツアー」についてご紹介します。
この季節だけの布海苔採り体験ツアー
写真:この時期にしか採れない布海苔を手摘みできる体験ツアー
「布海苔(ふのり)」は、青森県風間浦村の特産で、最も寒い2~3月に旬の季節を迎えます。布海苔採り体験ツアーは、風間浦村の海岸でその布海苔を手作業で採り尽くすというもの。
現地では漁協関係者から注意事項の説明の後、磯に繰り出して布海苔摘みを楽しみます。
岩肌にびっしりと張り付いた良質な布海苔が取り放題!手で摘み取っていきます。採れた布海苔は全て持ち帰りすることができますよ。軍手・長靴を持参し、寒いのでしっかり防寒できる服装で!
お味噌汁に入れたり、天ぷらにしたり、新鮮な海の幸をご自宅で楽しむことができますね。
下風呂温泉の宿泊宿に泊まって、翌日に約1時間ほど布海苔採り体験を楽しみ、下風呂温泉で温まり、海の幸を堪能するというスケジュールとなっています。
ヘルシーな食品としても注目されている布海苔
写真:磯でいただける布海苔のお味噌汁。温まりそう!
布海苔は一年の中でも限られた時期にしか採取されない貴重な海藻であるばかりでなく、その採取は機械化できず、現在でも手作業で採られています。
お蕎麦のつなぎに使われたり、着物の糊付けなど、伝統的に「のり」として使われれることも多かった布海苔ですが、下北半島では昔から食用として親しまれてきました。
最近では、布海苔は血液中のコレステロールや血糖値を下げる効果があるのではと注目を集めている海藻なんだそうです。
ネバネバ成分の元「フノラン」が高濃度に含まれていて、それがコレステロールを下げる効果があると言われ、ミネラルや食物繊維が豊富で、ダイエットにも効果があるとか。
普段の食事に取り入れていくことで、生活習慣病の予防やダイエットも期待できそうですね。くせもなく食べやすい食材なので、ラーメンやうどんのトッピングにしたり、お味噌汁の具にするなど、気軽に普段の食事に取り入れることができそうです。
写真:金太郎飴のように絵柄が出てくるのがかわいい!ツアーでは1日目に下北半島に伝わる郷土料理、べこ餅作り体験も
異なる泉質が楽しめる下風呂温泉
布海苔採り体験の後は、下風呂温泉のお湯で冷えた体をしっかり温めましょう。
室町時代から湯治場として知られていた歴史ある下風呂温泉。塩の香りと硫黄の匂いが混ざり合う温泉街です。
「大湯」「新湯」の二つの源泉があり、それぞれに公衆浴場があります。この二つの源泉はすぐそばにあるのにも関わらず、白濁した大湯と透明に近い新湯と泉質が異なる珍しい温泉郷だそうです。
せっかく違った源泉があるなら、どちらも入ってみたいですよね。
下風呂温泉では800円の温泉手形で、共同浴場 大湯・新湯・ホテル・旅館のお風呂のうち3箇所に入浴することができるんです。
「青森ヒバ」で作られた手形は3種類。
切手を貼るとハガキとして出すことができるイカの形の手形、ペン立てにできるもの、手で握ってマッサージしたり自宅のお風呂に浮かべてヒバの香りを楽しめる湯玉3連。
手形として使った後も、下風呂温泉の旅のステキな思い出の品になりそうですね!
厳しい寒さの中で育まれた布海苔を採り、地元の人たちや湯治客もくつろぐ温泉に浸かって温まる。
この時期だけのツアーで冬の下北半島を満喫してみてはいかがでしょうか。
(まとめ・文:mashiro 情報更新 mashiro:2020年1月)