温泉ファンの人に「理想の温泉は?」と聞くと、たいてい「自然に囲まれている」「湯当たりが柔らかい」「できるだけ長く浸かっていられる」といった声が上がります。でも、こういった「温泉の理想」を全てクリアする施設は稀で、たいていはその理想に近いところでヨシとすることが多いです。
なのですが、神奈川県の南足柄市にある大雄山という小高い山の一角に、この「温泉の理想」を全てクリアした施設があると聞き、数年前に初めて行き、以来3ヶ月に2回ペースで通っている温泉があります。その名も「モダン湯治 おんりーゆー」。
東京から南足柄市まではちょうどカッキリ100キロ前後。東名高速に乗り、大井松田インターチェンジまで約1時間。そこから国道78号線を西に10キロほどで大雄山に着きます。
大雄山は南足柄市の観光名所で、パワースポットとしても有名な最乗寺を有しますが、よく観光地ズレはなく、極めて穏やかな山。
この大雄山の整備された林の森を抜けると、その一角に「モダン湯治 おんりーゆー」があります。
「モダン湯治 おんりーゆー」は、“モダン湯治”を謳っているだけあり、施設全体が洗練されていて、スタッフの対応も皆さん丁寧で穏やか。
施設はオープンエアスペースも多く、天候次第ではリクライニングも自然環境の下で行うことができます。つまり、自然環境をうまく取り入れながら、利用者の機能性も十分兼ね備えた超理想的な温泉施設です。
肝心の温泉はアルカリ性の単純硫黄泉ですが、特筆すべきは38度という温度。
このややぬるい温度のおかげで、数十分~1時間くらいは軽く温泉に浸かることができます。また、小さいながらもサウナもあり、こちらも湿度が低く設定されており、やはり長時間入っていられます。
つまり、「モダン湯治 おんりーゆー」は、慌ただしく温泉に浸かるのではなく、あくまでもスローに、長時間体の芯まで癒しを与えてくれる「温泉の理想」を全てクリアした施設なんですね。
実際、神奈川県の温泉ランキングでは1位を取ったこともあるようで、筆者のように比較的遠方からの来館者も少なくないようです。
入館料金は1900円と日帰り温泉では高い部類に入りますが、タオル類、館内着などは全て込み。是非一度訪れてみてください。
そして、この「モダン湯治 おんりーゆー」で気分がすっきりした後は、大雄山から下山し、町を散策しましょう。
南足柄界隈は個人経営の飲食店、地域密着型のスーパーなどもいくつかあります。また、小田原港が近いこともあり、朝採れの旬の魚も安く購入できます。もちろん、美味しいお寿司屋さんもいくつかあります。
帰りの魚のお土産用にクーラーボックスを車に積んで行ってみるのもお勧めですよ!
(まとめ・文:松田義人、制作:Vermiliおん)