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【源泉雪見露天5】屋根がない開放的な野天風呂から雪の役内川を眺めて
秋の宮温泉 鷹の湯温泉【秋田】

屋根がない本当に野天(やてん)風呂!雪が降ったら湯船の中にそのまま音もなく吸い込まれていくのも雪見の風情……。そんな風情満点の雪見露天、いや雪見野天風呂が楽しめるのが鷹の湯温泉。

秋田県湯沢市から鳴子温泉方面へ、国道108号線を山深いほうへとドライブしてたどりつく秋の宮温泉郷の最奥部にある赤い屋根の温泉旅館だ。役内川に面した20室の一軒宿で、日本秘湯を守るの会の宿でもある。

行基法師が発見したともいわれる古い湯で、宿としての創業は明治18年、かつては湯治を主としていた。
先代から冬季の営業も含めた通年営業を始めており、まさに雪見風情を味わうにはぴったりの宿だ。

秘湯とはいえ、四代目の小山田光太郎さんによると、宿までの道はスタッドレスタイヤをつけていれば問題なくたどりつける。

周囲は最高に積もったときで1mの積雪があり、雪見風呂は1~2月に楽しめる。3月になると解け出すという。

川沿いの板張り舗装の小道で通じる敷地最深部の野天風呂。内湯には深さ130cmの立ち湯も

雪見の風情は、なんといっても宿の一番奥にある野天風呂が一番だろう。
簡素な脱衣所のみで屋根もない、役内川に面している混浴の湯で、宿泊棟からは、木の板で舗装された川沿いの細い道を散策するようにしてたどりつく。途中に足湯もあり、寒さに耐えかねたらいったんそこで足を温めるのもいいだろう。

湯船からは、渓流の中の段差が滝のようになっている部分が調度見えて、趣深い。
人工物はほぼ何もなく、見えるのは川と山々と木々、脱衣所と自分が来た道と雪だけ。
屋根がないので雪が激しい中、じっと浸かっていれば自分の頭に積もるかもしれない。

混浴はちょっと……という女性には、女性用半露天風呂(鷹の湯温泉では半露天と呼んでいるけれど、ほかの温泉なら堂々と露天と呼んでるレベル)もある。

こちらは屋根付きなので、頭に雪が積もることはない。
杉板張りの中にある湯船で、湯船の中まで板張りなので肌あたりがすがすがしい。ここは野天より少し高い目線から渓流を見渡す。それもまたよい。同じくらいの高さで混浴の半露天風呂もある。


混浴の半露天もある。

内湯がこれまた面白い。
混浴湯は、木で縁どられた湯船が3つと岩風呂があり、とても広い。あふれ出た湯が流れているのが贅沢だ。

左右は温度の違う湯、一番奥は深さ130cmの立ち湯がある。立とうとすると湯の圧を感じ、力を抜くとぽわっと浮遊する感じがたまらない。

1か所で落ち着くのもいいが、4つの湯船がちょうど周遊する感じの配置なので、ついつい移動したくなる。
130cmの立ち湯で歩行したくなるせいか。おかげでとても温まる。
混浴と女性専用とあるが、もしも女性ならば内湯の16~18時の女性専用タイムはぜひ利用したい。

ちなみに飲用許可がある弱食塩泉は口に含むと少し塩味と苦みがある。弱アルカリ性で胃腸にきくのだそうだ。

内湯で運動したせいか、お腹もよくすき、夕食のきりたんぽが美味しかった!

館内には昭和レトロな肩たたき機も。朝はコーヒーのサービスも。日本経済新聞が置いてある。

(文:おんせんニュース中の人)

鷹の湯温泉

http://takanoyuonsen.web.fc2.com/
秋田県湯沢市秋の宮字殿上1

TEL 0183-56-2141

●立寄り入浴
11:00~14:00まで受付
(設備点検などにより、不定休あり。要問い合わせ)
入浴料金 650円

●宿泊料金例
1泊2食付き
8~10畳(トイレ付)13,110円~
※休前日は14,190円~

日本秘湯を守る会のサイトからWEB予約もできる。

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