岐阜県奥飛騨の新平湯温泉で「第8回氷室そば祭り」が開催されます。このおそば、普通のそばではないのです。
そば祭りというと新そばが出回る秋に開催されることが多いのですが、こちらの氷室そば祭りは、なぜか新緑の美しいこの季節に開催されます。
写真:写真のような氷室の中で熟成させる氷室そば
なぜかというと「氷室そば」の名前通り、氷室で3ヶ月間氷温貯蔵した特殊なそばの実を味わおうというのがこのそば祭りの主眼だからなのです。
奥飛騨で収穫されたそばの実を、この日のためにわざわざ氷室の中で3か月熟成させているのです。
わざと厳しい環境に置くことで、そばの実が甘く美味しくなる
わざわざ氷室で貯蔵?と聞くと蕎麦の味はどうなるのよ、なんて気になりますよね。
氷室そばの味と秘密について、そば祭り実行委員会の山下さんにお話を伺いました。
この氷室そばは荘川の伝統食材・寒ざらしそばにヒントを得て誕生したのだそうです。
その寒ざらしそばはそばの実を冬場の川水に1週間程浸し、その後寒風に晒して作ります。
氷室の氷温下で貯蔵することでそばの実が、生き延びようと自ら甘い不凍液を出すといわれており、そばの甘みが増すのだそうです。
こちらの氷室そばは氷室で氷温でじっくりと寝かせる点が特徴で、他の地域では見られない手法です。そばの実を厳しい環境下に置くことで、そばの旨味、すべてが濃縮されるんですね。
そんなそばの実で打ったそばは、通常のそばに比べると、何と言っても香りが格段に違うのだそうです。また、そば粉の肌理も非常に細かくなり、喉越しが滑らかな美しいおそばに仕上がるんですよ。
写真:食べたときの風味の広がり方が違うという、氷室そば
う〜ん、話を聞けば聞くほど美味しそう!ぜひ食べてみたくなりますね。
そんな他の地域では味わえない氷室そばが堪能できる唯一のイベントが「第8回氷室そば祭り」なのです!
こちらのイベントはほのぼのとした日本の原風景が楽しめる「しのぶ親水公園」にて行われます。
氷室そばの盛りそばや今が旬の山菜の天ぷら、自然薯などのトッピングなどが販売されますよ。そばはもちろんのこと、奥飛騨の山菜や自然薯もとっても美味しそうですね!
写真:7日間だけの美味!奥飛騨の新緑の中でいただく氷室そばはまた格別!
新緑の大自然の中で食べる氷室そばは一段と美味しく感じられそうです。1日限定200食、売り切れ次第終了となるので、早めのお出かけをおすすめします。
だんだん暑くなってくる時期、つるつるっとした喉越しのそばはぴったりですね。ぜひ、氷室を想像しながら風味豊かな氷室そばを味わってみてください。
(まとめ・文:ゆきさね 情報更新:吉川 情報確認:2019年3月)