近年、ユニークな見た目と不思議な生態で人気を集めている「深海魚」。
静岡県沼津市の戸田（へだ）は、「深海魚の街」なのをご存知ですか？ そして現在、戸田では深海にすむ巨大な蟹「タカアシガニ」の漁が最盛期を迎えています。
写真：これが深海にすむタカアシガニ
「深海魚」とは、水深200m以上に生息する魚介類のこと。普段、口にすることが多いアジやサンマ、マグロなどはもっと浅いところを泳いでいるんですね。
戸田は、海岸からわずか2kmほどの距離で水深500mにまで達する駿河湾に接しています。駿河湾の最深部は水深2,500mにも達し、日本一の深さになるんですよ。
ちなみに戸田から望む富士山の標高は3,776m。富士山の山頂から駿河湾最深部までの高低差は、なんと6,000m以上！
「日本一高い山」と「日本一深い海」が深海魚を含む豊かな生態系を育んでいるんですね。
戸田では毎年9月になると「タカアシガニ」漁が解禁になります。
タカアシガニは水深200～500mほどの深海底に住むカニです。足を広げると3m以上にもなる世界最大の甲殻類なんですよ。ズワイガニが足を広げても1.5m未満であることを考えると、その大きさは桁違いですね！
水族館などで暗い水槽の中でじーっと動かない大きなカニが印象的でしたが、あれはきっとタカアシガニだったのでしょうね。
タカアシガニは、塩茹でや蒸しガニで提供されることが多いそうです。イメージするカニの味とは異なる味わいで、少し淡白でとエビの味に似ているとも言われます。
写真：タカアシガニの定食
身はもちろんのこと、カニみそが濃厚で絶品なんですよ。さっぱりとした味わいの身を濃厚なカニみそにつけて食べる…
お酒との相性が抜群によさそうですね！あぁ、想像しただけでよだれが…
タカアシガニ漁は9月から翌年5月半ばまでですが、寒い時期ほど身が締まり、カニみそも多くなります。つまり、今からの時期が最も美味しいタイミングということですね！
タカアシガニや深海魚は、戸田の飲食店で食べることができます。なかなか戸田以外ではお目にかかれないような魚ばかり。いろんな深海魚を食べ歩きたくなります。
特に「ゲホウ（トウジン）」は、インパクト抜群で、ある意味SNS映えしますね！
写真：まるさんトロボッチのフライ
深海魚はあまり動かないため脂が乗っていて美味しいのですが、とても足が早いのが難点。しかし、戸田では獲れたての深海魚をお造りでいただくことができるんです。
他ではまず味わうことができない「深海魚のお造り」は、必食ですよ！
また、すり身を使った「戸田とろはんぺん」は、戸田グルメの代表格。昔ながらの家庭的な味が人気です。
戸田では深海魚に関するイベントも数多く開催しています。10月26日には、「深海魚まつり」がありますよ。
写真：2019年の深海魚まつり
イベントの顔にもなった「深海生物撮影会」の他に、フードコーナー。即売会もあります。
戸田の深海魚に対する熱い想いを感じることができるイベントです。1日のみの開催ですが、定期的に開催しているので、開催日を狙って戸田に訪れるのも良いですね。
深海魚を愛する戸田ですが、温泉ももちろんありますよ。道の駅「くるら戸田」にある西伊豆戸田温泉は源泉かけ流しの日帰り入浴施設です。施設の外には足湯もありますよ。
また、「戸田温泉スタンド」というユニークな施設もあります。セルフサービスで戸田温泉を販売しているんですよ！500リットルで200円は安い！…気がする。近場の方や車で戸田へお出かけの際にはぜひ立ち寄りたいですね。その場合はポリタンクのご用意をお忘れなく！
あなたの知らない戸田…深海魚のみならず、珍しいものがたくさんありそうですね。（まとめ・文：ゆきさね 情報確認：mashiro 2019年10月）
写真：「ゆうなぎ」の深海魚セット。戸田でしか味わえない珍味
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