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【徳島】ひとつ目丼でお腹を満たし、渓流下りや露天風呂を楽しむ大歩危小歩危 妖怪大行列は11/25に

日本の原風景が色濃く残り、国の天然記念物及び名勝に認定される大歩危小歩危(おおぼけこぼけ)。エメラルドの川面を進む渓流下りが有名な、景勝の地です。

もうひとつ有名なのは、数多く残る妖怪伝説。妖怪屋敷や秘境に遊び、ひとつ目丼セットをいただくという、妖怪尽くしの旅も乙なもの。

紅葉が美しい11月25日(日)の妖怪まつりでは、迫力ある妖怪大行列も楽しめます。

写真:大歩危の断崖絶壁の谷底を往く観光遊覧船




児啼爺(こなきじじい)に迎えられる大歩危駅

切り立った崖や美しい渓流のある秘境・大歩危・小歩危(おおぼけ・こぼけ)は、妖怪の里としても知られています。

なかでも、水木しげる氏の描く『ゲゲゲの鬼太郎』で親しまれている児啼爺(こなきじじい)は、大歩危で生まれたとされる縁で、JR大歩危駅の駅長に任命されました。

そんな大歩危では、毎年11月に妖怪まつりが開催され、妖怪大行列や妖怪バンドのライブを人間も妖怪も一緒になって楽しみます。

写真:迫力あるさまざまな妖怪は、子どもたちに大人気

秘境や道の駅にある屋敷で、妖怪たちと戯れる

大歩危には、60種類150か所以上の妖怪伝承が残されており、有志のお年寄りたちが作った、妖怪の像が山中の各所に見られます。

足腰に自信がある方は、妖怪を訪ねて4時間半をかけて山中をガイドと歩く、妖怪の里歩きコースにチャレンジを。
(http://www.yamashiro-info.jp/youkai/gaidou.htm)

山歩きが難しい方には、道の駅大歩危に併設された妖怪屋敷がお勧め。こちらは解説を見ながら、大歩危にいる妖怪と親しむことができるスポットです。
(http://miyoshi-tourism.jp/spot/restareaoboke-lapisoboke/)

写真:大歩危駅から徒歩20分、妖怪屋敷の一ツ目入道と河童

大歩危の食をまるごと味わえる、ひとつ目丼セット

お腹がすいたら、妖怪屋敷から徒歩で約5分の、レストラン大歩危峡まんなかへ。
(https://www.mannaka.co.jp/restaurant/restaurant.html)

名物の祖谷(いや)そば、お~こわ饅頭や妖怪茶もついてくる、妖怪尽くしセットが食べられます。

メインは、水中に人を引っ張り込む青坊主のような妖怪をモチーフにした、ひとつ目丼。すき焼き風の猪豚肉と野菜がたっぷりの上に、ひとつ目に見立てた半熟の目玉焼きがぎょろりと乗り、桜色の紅しょうががぺろりと舌なめずりをしています。

渓谷をイメージした大ぶりの祖谷豆腐は、濃厚な味わい。険しい山道を持ち運んでも崩れないように、普通の4倍以上の密度に固められた、豆がぎっしりの豆腐です。

写真:ボリュームたっぷりのひとつ目丼は、20食限定

2億年前の断層を眺められる吉野川の遊覧行

レストランのそばから出ている観光遊覧船は、切り立った峡谷の底にある吉野川の両岸の、珍しい結晶片岩(けっしょうへんがん)を楽しみながら下ります

1~2億年ほど前に、海洋プレートの沈み込み運動によって作られたこの岩には、高い熱と圧力で押し潰され、レンズのような形をした石つぶてが含まれています。日本列島の成り立ちを伺える貴重な場所として、約500メートルの地帯が国指定天然記念物に指定されました。

写真:エメラルドグリーンの渓流4キロを往復30分かけて下る

渓谷を眺めながら露天風呂でゆったりするひとき

たっぷりと遊んだら、レストラン・遊覧船乗り場・妖怪屋敷のいずれからも数分の、峡谷の湯宿大歩危峡まんなかで、汗を流しましょう。
(https://www.mannaka.co.jp/hotel/local/day_trip.html)

露天風呂からは、渓谷が見渡せます。

写真:渓谷を臨む大歩危峡まんなかの露天風呂

また、約15キロ、車で30分足らずの祖谷まで足を延ばせば、和の宿(なのやど)ホテル祖谷温泉の露天風呂も。
(https://onsennews.com/kouyou_iyaonsen_tokushima/)

祖谷の湯では、平家の落武者も埃を落としたと言われています。妖怪たちも、大歩危から湯浴みに来ているかもしれませんね。

写真:紅葉の山肌をケーブルカーで下るホテル祖谷温泉の露天風呂

京極夏彦氏が語る、感性を取り戻すための妖怪文化

大歩危小歩危のある三好市は、世界妖怪協会(永久会長:水木しげる)から妖怪文化の普及に貢献している地域として怪遺産に認定されています。

2014年に三好市で開催された怪フォーラムin徳島では、小説家の京極夏彦氏と、語り部であり郷土研究家でもある下岡正一氏の対談で、こんな話が交わされました。

大歩危に残る妖怪文化は、共同体をうまく成り立たせるための仕組みのひとつ。現代の日本からはその仕組みが失われ、コミュニケーション不全のぎすぎすした社会となり、子どもたちすら生気を失ってしまっている。

しかし、大歩危で妖怪の話や本物の暗闇に触れた子供たちは、目の輝きを取り戻す。修学旅行から帰宅した子供に驚いて、人が変わったようだと連絡をくれたお母さんもいた。

大人も子供も大歩危に来て、夜を感じてもらいたい。雲海を見て土地の人と話し、形のない妖怪を感じられる感性を取り戻してほしい。

写真:大歩危や吉野川を望む吾橋の雲海展望台 3月~4月と10月~12月の早朝は雲海の発生頻度が高い

気ぜわしい日々を離れて山道に点在する妖怪を訪ね、雲海を眺めながら、日本の原風景の中で過ごす休暇の日々。子供は目を輝かせ、大人は子供心を取り戻すような時間が過ごせそうです。

妖怪好きな人も、妖怪には興味のない人も、ともに楽しめる魅力にあふれた大歩危小歩危。ぜひ、ゆっくりと楽しみたいですね!

(取材・文:なかおかともみ)

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