鎌倉時代からの古城の石垣をバックに咲き誇る桜や、八重の濃い紅色の花びらが美しい枝垂桜。長野県小諸市、懐古園は「さくらの名所100選」にも選定されている桜の名所です。4月4日から26日までは今年も桜まつりが開催されますよ!
写真:小諸の名前がついた可憐なコモロヤエベニシダレ
この懐古園では春には約500本もの桜が咲き誇ります。ソメイヨシノやヒガンザクラ。
そして全国的にも珍しい品種、コモロヤエベニシダレは、濃い色と八重の花びらが特徴的な桜です。見頃は4月中旬から下旬。その名の通り小諸発祥の桜で、明治時代に植えられ、今では園内の馬場で3本のコモロヤエベニシダレが花を咲かせます。
写真:懐古園内に3本が美しい姿を見せるコモロヤエベニシダレ
その花の色は紫紅色から徐々に淡く変化していくところが大変美しいと言われています。青空に映える濃いめのピンクの八重桜は和の情緒たっぷり、ソメイヨシノとはまた違った趣がありますね。
また、桜まつりの期間中は日没から22時まで、毎日夜桜のライトアップも行われます。ぼんぼりの灯りにほのかに浮かび上がる石垣と桜、幻想的な世界に浸れそう。
様々な種の桜が植栽されているので、長い期間に渡ってお花見が楽しめるのも嬉しいですね。
戦国の要衝・小諸城で武将による野点
懐古園はもともと、豊臣秀吉の時代に完成された小諸城が、明治になって「懐古神社」を祀り、懐古園と名付けられたもの。
石垣などは400年前のままの姿で、古いお城の面影が残されています。桜の名所としてだけでなく、秋には紅葉も美しく、四季折々に風情を感じられる観光スポットでもあります。
11の丘と12の谷からなっている、自然豊かな園内はやはり桜と老松のコントラストが見事。
明治の文豪、島崎藤村の「小諸なる古城のほとり」の詩でも有名です。詩に読まれるほど風情のある場所なのですね。
玄関口に当たる三の門は重要文化財にも指定されていたり、藤村記念館、小山敬三美術館などの文化施設も点在しているので、お花見を楽しみながらゆっくりと散策したいスポットです。
普段の靴でも歩ける場所なので、気軽にお散歩を楽しんでみてくださいね。
写真:ソメイヨシノにまじって白や緑の桜が見える。いろいろな桜がある
小諸で温泉好きが訪れたい場所といえば高峯温泉。
小諸駅からバスで45分の高峯温泉には「ランプの宿 高峯温泉」があります。高峯渓谷を見下ろし、はるか遠く中央アルプスを望む絶景地にある秘湯です。
池の平湿原や浅間連峰などの登山客も訪れる秘湯で高原の清々しい空気の中で入る露天風呂は格別です!
夕暮れには湯舟にランプの灯が灯され、山々の景色の移り変わりを眺めながら身も心もゆったりと癒されそう。温泉に浸かりながらの大パノラマ、ぜひ体験してみたいですね!
古城に咲く美しく幻想的な桜に、アルプスの雄大な自然をめいっぱい楽しめる温泉。小諸でダイナミックな自然と歴史を堪能する。素敵な春の訪れを感じる旅になりそうです!
(まとめ・文:mashiro 情報更新:2020年3月 前田)