ウトロ温泉
https://www.shiretoko.asia北海道斜里町ウトロ
●JR知床斜里駅から斜里バスウトロ温泉行きで約50分、終点下車
●車:旭川紋別道丸瀬布ICから国道333号・39号・334号経由 約3時間10分
●車:女満別空港から約1時間30分
「ウトロ温泉」は世界遺産として知られる知床観光拠点となる斜里町ウトロにあります。知床はアイヌ語で「シリエトク(地の果て)」と呼ばれていたことから名付けられたと言われていますが、現代でも、札幌から北海道東部に位置する知床半島まで行くと車で6〜7時間かかります。
平成17年に世界遺産に登録された「知床国立公園」は冬に訪れる流氷によってもたらされる豊かな海とシマフクロウやヒグマとした希少な生物の生息地であることが評価され世界遺産となりました。知床では季節を問わず野外のアクティビティを楽しめます。アクティビティ後の「ウトロ温泉」は格別です。
今回はそんな地の果て知床にあるウトロ温泉についてご紹介します。
ウトロ温泉は知床半島のオホーツク海側の真ん中あたり、斜里町ウトロ地区にあります。ウトロ温泉はウトロ漁港の側にある温泉街と急坂を登った丘の上にある温泉街に分かれています。
ウトロ港地区には日帰り入浴もできる温泉ホテルのが数軒の他「ゴジラの手湯」という無料手湯がありますが、日帰り入浴できる施設がありません。
なので、ウトロ漁港エリアに宿泊される方で温泉に入りたい方は温泉のある宿を選ぶようにしましょう。
高台エリアには公営の日帰り温泉入浴施設「夕陽台の湯」や無料の足湯「足湯シリエトク」がある他、日帰り入浴を実施している温泉ホテルが数件あります。泉質はナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉で、神経痛、筋肉痛、五十肩などに効くと言われています。
夕陽台の湯はウトロの高台エリアにある日帰り入浴施設です。夕陽台の湯という名前ですが、木陰があるため露天風呂から夕陽は見れません。
内湯と露天風呂が男女にそれぞれあり、無料の休憩所の湯上がりどころも用意されています。
内風呂にはシャンプーなども備えられていますが、タオル類は有料です。料金は大人(中学生以上)は500円、子供1名250円で現金のみとなっています。
通年営業ではなく、例年営業は6月1日(木)〜10月31日(火)までとなっていますので、営業日にご注意ください。
「北こぶしホテル&リゾート」はウトロ漁港地区にあるリゾートホテルです。ウトロ地区の中では最高級クラスのホテルで、温泉はもちろん、接客や食事、客室全てにおいて高い評価を受けています。
最上階にある大浴場にある展望大浴場露天スペース「汐音」からはオホーツク海やウトロ港を一望でき、温泉に浸かりながらオホーツク海に沈む夕日や海を埋め尽くす流氷を眺めることができます。
大浴場に併設されているサウナは流氷や知床の山並みを眺められる窓が設置されています。
サウナ室は流氷をイメージした『KAKUUNA(カクウナ)』と木の洞窟をイメージした『UNEUNA(ウネウナ)』の2種類あり、水風呂と外気浴用の椅子も用意されています。
また一階には足湯があり、冬の流氷シーズンには流氷を眺めながら足湯に浸かって、コーヒーやビールを楽しめます。
僕がウトロ温泉を訪問したのはゴールデンウィーク頃でしたが、雪解けを迎え、知床五湖は開園していました。開園したばかりでまだ残雪も多く、一部のルートは閉鎖されていましたが、十分楽しめました。
この時期はまだクマが歩き回らないためヒグマ対策のレクチャーを受ければ自由に遊歩道を散策できました。
クマが歩き回る時期の知床五湖はガイドの同行が必須となります。
風が吹かなければ湖に知床連山が美しく映ります。駐車場には売店があり、軽食として鹿肉や鮭のハンバーガーが販売されていました。
羅臼湖は知床最大の湖で、ウトロの町から峠を越えた隣町の羅臼町にあります。
知床五湖のように観光地化されていないため訪れるには軽登山に準じる体力と装備が必要です。
羅臼湖へと向かうルートの途中にはいくつか沼があり、天気が良ければ沼に綺麗に映る羅臼岳を見ることができます。終点の羅臼湖には展望デッキと看板が用意されています。
あまりの大きさにカメラで撮影しようとすると湖全体を収めることは難しいほどで、羅臼湖の大きさを実感できます。
羅臼湖への入り口は知床横断道路の路肩にあり駐車場はありません。そのためバスかガイドツアーで向かう、または知床峠の駐車場を利用する必要があります。
入り口から羅臼湖まで往復約6キロ、途中急な登りがあります、足元も雪解け水でぬかるんでいるところも多く、距離に比べて体力を使います。
フレペの滝は知床自然センターの裏手に遊歩道があります。
しっかりと整備された遊歩道を片道1キロほどでフレペの滝を見下ろす展望台に行くことができます。
滝といっても水が勢いよく流れ出ているのではなく岩肌から染み出した水がホロホロと流れ落ちています。
その様子が涙に似ていることからフレペの滝は「乙女の涙」と呼ばれています。
冬には水が凍りつき氷瀑になり、迫力が増します。
知床自然センターへの帰り道は軽く登り坂になっているのでゆっくり登りましょう。
またこの時期は出会いませんが夏はヒグマがよく出没するらしいので注意してください。
(取材・文:mukab、編集:Vermiliおん)